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■ フリーキー・グリーンアイ ジョイス・キャロル オーツ 
4789726312フリーキー・グリーンアイ
ジョイス・キャロル オーツ Joyce Carol Oates 大嶌 双恵
ソニーマガジンズ 2005-09

by G-Tools

主人公は14歳のフランチェスカ。スポーツキャスターの父、優しい母、異母兄のトッド、妹のサマンサという家族と共に、シアトルの高級住宅街に住んでいます。フランチェスカは、やや強引なところもあるけれど、家族を強く愛してくれる、有名人でお金持ちの父親を、誇りに思っています。

しかし、繊細で芸術を愛する母親は、父親とすれ違い続け、2人はついに半別居とでも言うような状況になります。子供たちは揺れます。いつでも父親の味方をするトッドは、フランチェスカを無視するようになり、母親が恋しいサマンサは、フランチェスカに頼ります。中立を保ち、いい子であろうとするフランチェスカですが、不安は深まるばかりです。

そんなフランチェスカの頭の中で「フリーキー」の声が響きます。攻撃的だけれど、強くて、賢いフリーキー。別人格、というより、もう1人のフランチェスカ、と、いった所でしょうか。

ストーリーは、母親が血痕を残して失踪する、という事件によって、急展開します。警察、弁護士、父親、叔母。フランチェスカに様々な人が、何かを告げたり、何かを聞き出したりします。いったい母親に何が起きたのか?誰の言葉を信じればいいのか?

本文は、フランチェスカの一人称でありながら、「フリーキー」の声、事情聴取の描写、母親の日記、など多角的な視点で、真実が次第に浮かび上がってくる構成になっています。大人が読んでも十分満足できる、本格的なサイコミステリーです。YAにしておくのはもったいない!

真実を知ったとき、フランチェスカは何を思い、どんな決断を下すのか。潔い、凛としたラストです。本当にYA?っていうくらい、シビアな本でした。フランチェスカとサマンサの幸せを願わずにはいられません。

でも。父親の頭髪のエピソードには、不謹慎ながら笑ってしまいました。物語上、あそこであのエピソードというのも、ある意味、うまいかも。ちょっと緊張が緩んで、ああ、この物語は終わるんだな、って思えました。それでも、余韻からなかなか抜け出せない一冊。オススメです。
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