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■ アーモンド入りチョコレートのワルツ 森絵都 
4043791011アーモンド入りチョコレートのワルツ
森 絵都
角川書店 2005-06-25

by G-Tools

3つのピアノ曲をもとにした3つの短編。もともとは児童文学だったようですが、大人が読んでも、いい本です。文庫落ちした表紙、すごく素敵。好みだな。

森さんらしく、どれも、大人と子供の境界線上にいるような年頃の、すべての感情が増幅されてしまうような季節を、静かに描いています。

一番心に残ったのは、1作目の「子供は眠る」です。毎年、夏休みを、別荘で一緒にすごしてきた、仲の良いいとこたち。リーダーは、一番年長で、別荘の持ち主、クラシック好きの章君です。

シューマンの「子供の情景」は、私もけっこう好きで、一時期よくかけていました。これを、じーっと無理やり聞かされていたら、眠くなる気持ち、わかります。それだけじゃなくて、王様な章君に対するみんなの気持ちや、行動には、いい大人の私も共感してしまいます。

損得を考えて、人間関係に卑怯になってしまう気持ち。大人になると、もっと柔軟に対応できるし、気持ちを賢く逃がせるようになるけれど、その分「卑怯」度数では、大人のほうがはるかに高いと思います。でも、それを「卑怯」と感じる心は、大人になればなるほどなくしてしまうような気がする。だから、この小説はとても眩しかったです。

2作目の「彼女のアリア」も素敵な物語でした。不眠症の少年と、虚言癖のある少女の物語。ちょっと切ない、ボーイ・ミーツ・ガール小説です。卒業の日の、「ぼく」が、すごくかっこいい。きっと、素敵な男性に成長するでしょうねー。藤谷さんにも頑張って欲しいな。「ゴルドベルグ変奏曲」は、ちょっとこの物語のBGMにするには、こうるさいとは思うけど。

3作目は「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。ピアノ教室の物語。職業柄興味深く読んで、色々考えさせられるところはありました。ただ、小説としてはどうかな?一番大人っぽくて叙情的ではあったんだけど。ストーリーがちょっとわかりづらいというか・・・あまりに微妙。個人的には、他の2作のほうが好きでした。
| ま行(森絵都) | 23:17 | - | - |
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