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● 狼の寓話 近藤史恵
4198506140狼の寓話―南方署強行犯係
近藤 史恵
徳間書店 2003-10

by G-Tools

新米刑事の會川は、一週間前の殺人事件の捜査にまわされます。殺人事件は初動捜査が重要。一週間も前の、しかも犯人がわかっているような事件に會川が回されたのは、着任早々ミスを連発したためです。しかも組まされた相手は、黒岩という変わり者の女性刑事です。

夫が殺され、犯人は妻で、あとは妻を発見し逮捕するだけ、という簡単な事件のはずなのに、黒岩刑事は何かひっかかるところがあるようで、なかなか妻の逮捕状を請求しようとしません。妻には動機がないからです。読者としては、章ごとに冒頭に差し挟まれる、ルカという少女の童話も気になります。殺人事件の犯人は?動機は?童話の意味は?

そんな感じで、先が気になって、一気に読めました。オススメです。

ふもとの村からいけにえとして、山の神様にそなえられた少女、ルカ。しかしルカは、生前赤いクモを殺していたので、神様に受け入れられませんでした。死なないけれど、この山でしか生きていけない体になったルカは、何度も何度も、繰り返し狼に食べられる事になります。おなかのすいていないときには、とても優しくて、他の危険からルカを守ってくれる狼ですが、ときどき飢えて、ルカを食べるのです。

この童話の意味するところが、明らかになるにつれて、事件の真相もはっきりしてきます。あっ!って感じで・・・。とても辛くて、痛くて、切ないお話でした。でも被害者・加害者以外のキャラクターの明るさに救われていました。

近藤さんの警察小説は初めて読みましたが、先輩刑事たちが、かっこよかったです。それに、単純明快な兄、さっぱりした母など合川の家族も素敵。キャラクターがしっかり作りこまれているのに、この一冊の中ではそんなに生かされてなかったので、たぶんシリーズ化するんじゃないかなあ。して欲しいなあ。楽しみです。
| か行(近藤史恵) | 23:11 | - | - |
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