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■ 天の前庭 ほしおさなえ
4488017177天の前庭
ほしお さなえ
東京創元社 2005-07-08

by G-Tools

これはこれでネタバレなんだろうなあ・・・。

交通事故のあと9年間眠り続け、目を覚ましたときにはすべての記憶を失っていた、柚乃(ユノ)。彼女はパソコンの中に残っていた高校時代の日記から、自分に、秀人、尚、徹、ユナ、という友人がいたことを知ります。しかし、「ユナ」という少女を、他の3人は知らないと言うのです。「ユナ」は何者なのでしょうか。

また、柚乃が眠っていた間に、彼女たちの母校の校庭から、白骨死体が見つかっていました。一緒に、発見された記念ボールペンは、柚乃たちが卒業記念に特別に作ったものです。みな、自分の分は自分で持っています。白骨死体は誰なのでしょう?ボールペンはなぜ一本多いのでしょう。

ドッペンゲルガー、タイムトラベル、パラレルワールド、アカシックレコード、新興宗教、性転換、ネット上で予告されるテロ。どこか胡散臭いネタを、大量に詰め込みすぎて、消化不良な印象。SFのディティールなのに、物語としては完全にミステリー。このあたりに、少し無理があったんじゃないかと思います。ミステリーだと思えば、読者は、どんなに奇抜なものであっても「真相」を知りたいと思います。でも、この本には「真相」がないのです。物語の一番大きな謎である部分は、ずっと水面下でくすぶり続け、ラスト近くで表面化して・・・でも、謎のままで終わってしまうのです。

ところどころに挟み込まれる、終末の風景の描写は何を意味するのか。タイムトラベルは本当にあったのか。殺人事件の真相は。ドッペンゲルガーの正体は。すべての筋書きを描いたのはいったい誰?読んでいる間に、小さな謎解きはたくさんあったんだけど、それじゃあ不満です。

前作「ヘビイチゴ・サナトリウム」と全体の構成や、手法としては同じですが、あちらは十分な説明をして「真相の候補」を提出した上で、決着を読者の判断にゆだねた気がしました。「天の前庭」は説明不足。なんにもわかんないじゃん!って感じです。誰か、私に、答えを教えて!

こういう本、あってもいいと思うし、嫌いじゃないんだけど・・・ミステリ・フロンティアではやらないでほしいなあ。
| は行(ほしおさなえ) | 23:59 | - | - |
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