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● なんくるない よしもとばなな
4103834064なんくるない
よしもと ばなな
新潮社 2004-11-25

by G-Tools

沖縄を舞台にした4つの短編が収録されています。あとがきの「私はあくまでも観光客なので、それ以外の視点で書くことはやめた。これは、観光客がかいた本だ。」という言葉が、気に入ってしまいました。著者の謙虚な姿勢に好感が持てます。沖縄にいけば癒されるのだ!という、4つの作品に共通した認識というか信念というか、もうほとんど宗教のようなノリに、違和感を感じた私ですが、ケチをつける気がうせました・・・。

どの作品も、いわゆる「よしもとばなならしい」作品です。テーマといい、ストーリーといい、文体といい。それが“沖縄”という空間と出会ったとき、こうなるのか!という科学反応というか、コラボレーションの妙、というのを楽しみました。読むと、沖縄に行ってみたくなることは間違いありません。

タイトルロールであり、分量的にもこの本の半分以上を占めている「なんくるない」という恋愛小説がよかったです。離婚したばかりの女性が、沖縄旅行の最中に、トラという男の子に出会って、すごいスピードで恋に落ちる物語。私は、恋愛にめちゃめちゃ時間のかかるタイプで、我ながらイライラしているので、このストーリーにはスカっとしました。主人公のピンキーちゃんが自分に似ているように思えて、入り込みやすかったです。

よしもとばなな小説のファンの多くが、自分はピンキーちゃんに似ている、と、思うのではないかな?というようなキャラクター造形でした。上手ですねー。(わたしは、特に、ばななファンというわけではありませんが)
この、マザコン、シスコンぶりといい、家族べったりで仕事もこれらしいところといい、甘えぶりといい、この女性慣れした態度といい、迫り方の感じといい、若く見えるところといい、こりゃあ、ほんもののダメ男だ!と私は確信した。

「ダメ男、何人知り合えどダメはダメ」と心の中で、川柳まで作ってしまった。

きっとこの男はいくら恋愛しても、たくさんのダメなエピソードしか作れないに違いない、と私は思った。でもきっとそのだめなエピソードがいちいちいいんだろうなあ。
この文章が、とても好き。
| や行(よしもとばなな) | 23:18 | - | - |
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