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● ホームタウン 小路幸也
4344010302ホームタウン
小路 幸也
幻冬舎 2005-08

by G-Tools

ネタバレあり!

オススメ!オススメ!

ずっと同じ町に暮しながら、5年も会っていない妹・木実から「結婚します」という報告の手紙を受け取った柾人。複雑な心境でそれを受け取った直後に、妹、そしてその婚約者の失踪という事件が起こります。妹を探して、逃げ出してきた故郷・旭川に帰った柾人は、故郷の色々な人の協力を得て、妹を取り戻します。

柾人と木美は、柾人が中学生のときに、両親が殺しあう、という事件に合って故郷を出ました。二人は仲の良い兄妹でしたが、今もその事件を心の傷として引きずって生きており、「人殺しの血でつながっている」という事を意識してしまうために、素直に顔を合わせる事ません。その部分が、どうも、よくわかりませんでした。

自分の親が人殺しだったら、木実がそうだったように「自分の遺伝子を残してもいいのだろうか」と、悩む気持ちはわかります。(「殺人」は遺伝しないので、悩まなくていい、とは思うけど、悩む人の気持ちは理解できるということです。)でも、その血がつながっているからって、兄や妹に会えない、というのは理解できない。その過去のせいで恋人や婚約者とうまくいかなくなるというのならわかるけど、兄妹仲がおかしくなるなんて。深まるのなら、わかるけど。

まあ、そこだけではなく、全体的に、リアリティは皆無です。冷静に読むと、主人公の職業といい、魅力的な脇役たちの存在といい、ご都合主義の展開(あの狙撃とか…)といい、ありえないのひと言。そして暗い。どうしようもなく全体が暗い。

でも、この本が、今までの小路さんの作品の中では、一番完成度は高いと思います。事件の続きも、柾人と木実の過去も、気になってしまって一気に読んでしまいましたし、読み終わってみて振り返ってみても、とてもよくまとまっていました。事件としてはハッピーエンドだけど、柾人には木実よりも深い心の傷があることが明らかになり、小さな棘が残るラストです。彼のその後の人生が気になります(個人的に、柾人がタイプ!(笑)。この余韻もGood!。読み終わってから、タイトルについて考えると、また少し感動。

ここまでの感想文を読むと、とても誉めているようには見えない部分が多いけど、私はかなりこの本好きです。大好きな本に出会ってしまった…。
| さ行(小路幸也) | 21:17 | - | - |
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