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■ 指輪をはめたい 伊藤たかみ 
4163222901指輪をはめたい
伊藤 たかみ
文藝春秋 2003-10-08

by G-Tools

タイトルだけ見て(図書館本なので帯はなし)結婚したい女の人の話かと思ったら・・・違ったのでびっくりしました。いい意味で。

スケート場で転んで頭を打った「僕」は、逆行性健忘で、その数時間前の記憶を無くしてしまいます。テレビドラマなどとは違い、こういった記憶喪失で記憶が戻る事はあまりないそうです。それに、数時間の記憶の欠落など、お酒を飲みすぎて記憶がなくなる程度のもので、推測で補っておけば問題のないものです。普通は。

ところが「僕」には、この数時間の間に、プロポーズをする相手を決めたという記憶があるのでやっかいです。なぜやっかいかと言うと、その相手が誰かを思い出せないからです。婚約指輪もしっかり買って持っているのに、誰の指にはめればいいのかわからないのです。「僕」は困ってしまいます。「僕」は、それぞれに魅力的な3人の彼女のうち、誰にプロポーズするつもりだったのでしょうか?

読み終わってみると、実はファンタジー的な要素のある作品だったんですが、ある意味、これはファンタジーというよりホラーだなあ。物語が終わったような終わっていないような、不思議なラストです。でも、この小説の着地点はここしかないだろうという場所に、ピンポイントで落ちてきたぞ、と、思うので、このラストに満足です。

主人公が、最近読んだ「僕のなかの壊れていない部分」と似ていたので、つい比べてしまいました。精神年齢が低いので、女性に対しても不誠実な、モラトリアム青年。(こちらのほうがずっと短いし、小説としての趣旨が違うので、比べちゃいけないとは思うんですが。)「指輪を〜」のほうが、エンターテイメントに徹していて、わかりやすくて、読みやすいです。オススメ!
| あ行(伊藤たかみ) | 00:22 | - | - |
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