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● 冷たい校舎の時は止まる 辻村深月
4061823752冷たい校舎の時は止まる (上)
辻村 深月
講談社 2004-06-08

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4061823787冷たい校舎の時は止まる (中)
辻村 深月
講談社 2004-07-06

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4061823825冷たい校舎の時は止まる (下)
辻村 深月
講談社 2004-08-06

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ネタバレ警報!

ある雪の日、学校に閉じ込められた8人の仲間。入る事はできるのに、出ることはできない玄関。さっきまで人がいた形跡があるのに、誰もいない職員室。登校してこない生徒たち。不可解なこの謎を調べるうちに、彼らは、2ヶ月前の学園祭のときに、自殺したクラスメートがいたこと、そして、そのクラスメートの名前を自分たちが思い出せないことに気づきます。

不安に支配されていく学校の中で、大量の血と人形を残して、一人、また一人、と仲間が消えていきます。死んだのか?それとも、元の世界に戻ったのか?なにもわからないまま、8人の過去と心の闇がじっくり描かれていきます。平行して、学園祭の時の事件についても描かれます。とにかく構成の凝った本で、すごく読み応えがありました。

伏線がいっぱいはってあって、謎もいっぱいあって、再読せずにはいられない感じ。私は、「自殺したクラスメートは誰か」はわかっちゃったし、だとしたら「この世界のホストは誰か」に関しても、かなり早い段階でわかっちゃったんですけど(っていうか、かなりわかりやすいよね・・・)「菅原の正体」「どうして榊はいないのか」このあたりの真相には驚きましたねー。でもちゃんと読めば、「ひまわりの家」のお話の部分で、伏線がはられてるんだよね。やられました!

どうやら2作目の「子どもたちは夜と遊ぶ」のほうが、評価が高いみたいなんですが・・・わたしは、「冷たい校舎の時は止まる」のほうが好きです。キャラクターのリアリティがないのは、同じだと思うし・・・。こんな高校生いないよ!という意見に対しては、こんな大学生いないよ!と、2作目にも同じつっこみができる。展開の強引さで言えば、事件が虚構の世界で起こっている1作目なら、ああ、そういうことならしょうがないね、と、思えばいいでしょう?それに2作目のようなズルは、1作目にはない。ちゃんと伏線はってあるし、筋が通ってる。

8人のキャラクターに関しては、そりゃあ言いたい事はたくさんあります。リアリティはないよね。まあそれはファンタジーだからいいとして。女子は、一応キャラの描き分けができてるし、一人一人をきちんと描いてる気もする。でも、男子はまったく描けてないねー。いくら頭がいいって言っても、こんなに大人な男子高校生が揃うなんてありえない。性格だけ見てると、誰が誰だかさっぱりわからなくなる。全員、古い少女漫画に出てくる憧れの先輩みたい(この言葉・・・「夜のピクニック」の感想でも使ったな・・・。あ、そういえばこの人、恩田陸さんの一部に作風が似てる)

女子は著者の分身で、男子は著者の憧れなのかなあ。ただ、たぶん主人公ということになるのであろう、深月ちゃん。彼女は、ものすごーく同性に嫌われるタイプだよね。上・中巻での彼女のキャラクターがちゃっちいことに関しては、下巻にオチがあって嬉しかったんだけど、それを抜きにしても、深月は女子には嫌われるよね。春子にいじめられたの、わかる気がするもの。この本は、深月が色んなタイプのいい男にひたすらちやほやされまくる小説、と言っても過言ではない。このキャラクターに、自分と同じ名前をつける、辻村深月さんという作家こそ、一番興味深いキャラクターです。

とにかく。この本は好き。そして、この作家さんもたぶん好き。次回作にも期待。
| た行(辻村深月) | 11:56 | - | - |
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