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■ リリィ、はちみつ色の夏 スー・モンク・キッド 
4418055142リリィ、はちみつ色の夏
スー・モンク・キッド 小川 高義
世界文化社 2005-06-18

by G-Tools

帯が、これ。
「私が愛されたことの、しるしが欲しい」1964年サウスカロライナ。父親のもとを飛び出し、養蜂家の黒人姉妹が住む家にたどり着いた、リリィ、14歳の夏・・・。悲しみに、じんわりと愛がしみこむ。
この時点で、なんて児童文学にありがちなテーマなんだ!と、思ってしまいました。親の愛が足りないとか言って家出をし、旅先で優しい人たちとの出会いがあり、最後には親や周囲の愛に気がつき成長した主人公が、心配している親のもとへ戻る。もう何度も読んだ、そんなストーリーだと、決め付けました(きっぱり)

ところがこの本、そういう本ではないのです。まず主役は14歳のリリィだけど、全然児童文学じゃない。まあ、子供が読んでもかまわない本だけど、これは深いし、テーマの難しい本です。かなり大人向け。まったく、一筋縄じゃあいかない本です。

まず、リリィには「愛されていない」と、思うだけの理由があるのです。父親はアル中で、ひどい暴力をふるう人です。その分リリィは、幼い頃に亡くなった母親を理想化し、そのイメージにすがって日々を送っています。しかし、その母親は、幼いリリィの持っていた銃の暴発で死んでおり、それをおぼろげながらもリリィは覚えているんです。周囲は、リリィが覚えていないんだと思って秘密にしていますが・・・これは重いです。

物語は、リリィの母親(母親代わり)探しを縦軸に進みます。前半は、要領がいいというか、子供なりに賢いリリィと、家政婦ロザリン(黒人)の冒険譚という感じで、比較的楽しく読めます。でも、公民権法をめぐるアメリカの人種差別問題がクローズアップされて、勉強にもなるし、考えさせられる部分も多いです。

後半に入り、養蜂家の住むピンクの家に落ち着いてからは、リリィとそこに住む3姉妹の交流が描かれていくのですが、悲しい出来事もあり、初恋もし、現実との折り合い方や、悲しみとの向き合い方など、色々な事を学びます。また、3姉妹の独特の宗教(元はキリスト教)に関する理解が、日本人にとってはなかなか難しくなってきます。

でも、さすが、全米350万部の大ベストセラーだけあります。とても読み応えがありました。表紙が綺麗です。
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