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■ 海猫 谷村志穂
4104256021海猫
谷村 志穂
新潮社 2002-09

by G-Tools

再読。出てすぐに読んで、谷村さん、気合入ってるなあ〜、と、思った。内容を忘れた頃に映画化されて、その映画を見たとき、物足りないなあ、って思った。原作の中の何かとても重要なものが、映画では描かれていないなあって思った。でも、その「何か」を忘れちゃってたので(笑)、もう一度読もうとずっと思っていた。

前半は、北海道で昆布漁をする家に嫁いだ、ロシア人と日本人のハーフの女性の物語です。映画化するより、昼の帯ドラマにしたほうがよかったんじゃないかと思う。ドロドロ系恋愛文学。「運命の歯車は再び狂い始めた」というようなナレーションが入りそうなストーリーです。

主人公の薫は、夫との間に娘をもうけた後、夫の弟と恋に落ち、義弟の娘をも産みます。嫉妬に狂った夫と姑に監禁され、衰弱し、最終的には、彼女を助け出そうとした義弟と、追いかけてきた夫の争いを止めようと、自殺してしまいます。義弟もすぐに後を追います。ここまでが前半です。

映画では、ここまでを中心に描いていたんです。だけど、わたしには、その後のほうが面白かった。残された薫の二人の娘の物語です。薫の夫の子供である長女と、義弟の子供である次女は、薫の母・つまり二人の祖母にあたるタミに育てられる事になります。

この後半部分でやっと、薫という人の人間像が見えてくる気がします。そしてタミの人生、娘たちの人生、それぞれのつながり。後半部分がなければ、前半は本当に昼ドラかレディースコミック。後半があってこそ、「文学」だと思います。(文学の定義、とか、わかんないけど・・・なんとなく。)映画でも、なんとかこの部分を描こうとがんばってはいたのですが・・・いかんせん、時間の制約があるせいか描ききれていなかった。ただ、薫役の伊東美咲の美しさと、演技の初々しさばかりが目だっていました。

女性による、女性のための物語。様々な女性の生き方を描いた大作です。共感できない部分も多いのですが、読み応えはありました。函館の描写がとても素敵です。旅行したくなります。
| た行(谷村志穂) | 02:10 | - | - |
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