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赤い長靴 江國香織 
4163236104赤い長靴
江國 香織
文藝春秋 2005-01-15

by G-Tools


酷評注意!

タイトルの「赤い長靴」は、夫婦の齟齬の象徴です。2人でいるのに、いつも寂しい。これはそういう本です。

日和子と逍三は、子供のいない、結婚10年目の夫婦。他の人といるときは無口なのに、夫といるときだけは、一生懸命くだらないことでも話そうとしてしまう日和子。日和子の話をほとんど聞いていない夫・逍三。日和子は、不満も怒りも通り越して諦めの境地に達し、それでも間違いなく夫を愛している。逍三も、日和子を重荷に思いつつ、それでもおそらく彼女を愛しているんだろう。そんな2人の生活を、淡々と描いています。

私自身に結婚の経験がないので、一瞬「こんな結婚生活もあるのかぁ」「結婚10年ってこんなものかぁ」と、思いそうでしたけど、それは違うような気がします。これに近い結婚生活もあって、そういう人たちにこの本は受けるのかもしれないけど、そういう読み方だと、この本って退屈じゃありませんか?私は、これは2人の結婚生活を描いたというよりは、日和子さんの心の中を覗き込む、純文学かあるいは、サイコホラーなんじゃないかと思います。

日和子さんは、かなりデフォルメされた人格で、実際にこんな人がいたら、ほとんど病気です。夫依存症。言葉が通じない、話を聞いていない、自分から話すこともほとんどない。それでも彼以外の人はみんな恐い。だから、それでも彼を愛していると自分に言い聞かせ続け、彼に尽くし続け、縛られる心。私なら耐えられません。

逍三さんはいつの時代の人だって言うくらい、「フロ・メシ・ネル」の世界の人で、妻を自分の所有物のように思っている、付き合いづらい夫です。でも彼が、日和子を重荷に感じてしまう気持ちはわかるような気がしてしまいました。少なくとも、日和子の気持ちよりは。

それから。そんな風に私なりに読んでも、ストーリーはやっぱり退屈でした…。
| あ行(江國香織) | 15:56 | - | - |
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