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▲ 雪の華 伊藤たかみ 
4758410399雪の華
伊藤 たかみ
角川春樹事務所 2004-09

by G-Tools

主人公・大学生の優は、「共感覚」の持ち主です。すべての匂いが視覚的に「形」として見えてしまいます。人間はそれぞれ指紋や顔のように、独自の匂いがあり、それに対応する形があり、まったく同じ「形」を持つ人はいません。ところがある日、優は、もう死んだはずの、かつて思いを寄せた女性・京子の「形」を街中で見つけます。しかもその女性・七海は、かつて京子の恋人であった霧島の彼女になっていました。優は、このことを不思議に思い、七海に近づきます。

優・京子・霧島、そして、優・七海・霧島。繰り返される運命的な三角関係と、それに苦しむ七海と優。優が事故だと信じていた京子の死にも、さまざまな謎があることが、霧島の様子からわかってきます。もう死んだ女性を思う二人の男性と、2人を愛した女性の、切ないラブストーリーです。私の好みとしては、一番いい形で決着がついたので、よかったと思います。正直言って、ストーリーにはつっこみどころ満載ですので…オススメというほどではありませんけど。(オタクという設定の女の子が、本当に会話で「おたく」と相手の事を呼ぶんですよね…。なんか、こういう風にあからさまに、人間を型どおりに描かれると、読者としては引きますよね。ペラペラに薄い感じがする。)

でも「共感覚」に関する記述が興味深かったです。こういうものを持っている人は、本当にいるんだそうです。たとえば、文字を見ると、必ずそれに対応する色を感じる。あるいは、ある音を聞くと、必ずそれに対応する匂いを感じる。

私は、以前に、絶対音感について勉強していたときに、この言葉を聞いた事があります。幼少期に色つきの鍵盤で音階を習うと、絶対音感と色が結びついてしまうという話でした。70年代後半の日本で、とある全国展開の幼児音楽教室は、ドは赤、レはオレンジ、ソは緑、といったように、色のついた鉄琴・木琴を使って音階の授業をしていました。そこを卒業した子供達は、大人になっても、ドの音を聞くと赤いような気がするんだそうです。それを「これは絶対音感ではなく、後天的に植えつけられた、共感覚のようなものである」とその資料では書いていました。これは「共感覚のようなもの」の話であって、共感覚の話ではないんですけど、その時に「共感覚」に興味を持って少し調べてみたんです。医学の専門書は難しくて、たいしたことはわかりませんでしたけど…。

そんなわけで、私は帯のこの言葉に興味をもって、この本を読みました。「共感覚」に興味のある人にはオススメ…だけど、そんな人少ないだろうなあ。
| あ行(伊藤たかみ) | 21:51 | - | - |
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