CATEGORIES
LINKS
<< ● ユージニア 恩田陸 | main | ★ ボーナス・トラック 越谷オサム >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
● 4TEEN 石田衣良
41045950124TEEN
石田 衣良
新潮社 2003-05-22

by G-Tools

直木賞をとったころに、(2年前くらいかな?)に読んだ本だけど、再読。好きだな、爽やかでいい本だ、面白い、と思った記憶がある。4人の男の子達が全員、リアルに魅力的に描き分けられていて、それぞれが石田さんらしい「現代らしい問題」に直面して成長する、青春ストーリー。

難病を患うナオト、100キロの巨漢のダイ、チビだけど勉強のできるジュン、ひたすら平凡なテツロー。彼らの間には、大きな経済格差もあって、それはますます広がっていきそうな気配。それでも彼らはこんなにも単純に友達。それがとても爽やかで好きだ、と、思いました。

こんな色とりどりなメンツが、こんな風に友達になれるのは、たぶん子供のうちだけだと思います。それに、男の子だけのような気もする。女の子って、今も昔も、「似たような人々」で群れる習性があるし、似てない人を排除する傾向もある。もちろん、女の友情だって捨てたものじゃないんですよ?お金持ちの子と貧乏な子や、美少女とブスが本当に打算なく親友だったりする事もあります!でもそういう場合、1対1の関係であったような気がします。男の子っていいなあ、と、思いました。

ウェルナー症候群のナオトという子をめぐるストーリーが、好きでした。TVで似たような病気の子(もっと平均寿命が短かったので、違う病気だとは思うけど)のドキュメンタリーを見た事があったので、絵的に彼らを想像してしまって。彼のために、援交してくれる女の子を探すという発想も、彼らの姿の必死さも、素敵だと思いました。(でも援交はいけませんよね。犯罪です。)

他にも、拒食症の女の子とつきあうことになったテツローの物語、メールの出会い系サイトでDVを受けている人妻と知り合うジュンの物語、そして父親を殺してしまうダイの物語。重くて重くてどうしようもないテーマばかりなのに、他の友達3人の視点から描かれ、友情が前面に押し出されることで、爽やかな雰囲気に仕上がっています。エロ本を集め、ストリップ劇場にもぐりこみ、セックスの事ばかり考えていると描かれているのに、とても清潔な子供達に見えます。

何度も候補になっては落ちていた石田さんが、この本でやっと直木賞だった、というのは、納得です。池袋シリーズなどより、重さと爽やかさのバランスがいいので、読後感がよくて万人受けするんですね。

再読した理由は、この本が、韓国で売れているという話を少し前に聞いたからです。でも、ここんとこ急に日韓関係はおかしくなっているので、今は買う人なんていないのかもしれませんね…寂しい事です。
| あ行(石田衣良) | 21:24 | - | - |
スポンサーサイト
| - | 21:24 | - | - |