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■ 森のなかのママ 井上荒野 
4834250652森のなかのママ
井上 荒野
集英社 2004-03

by G-Tools

この本が、初めて読んだ井上荒野さんの本で、いまだに荒野さんの本の中ではダントツで好きです。

有名な芸術家だったパパが死んでから、いずみは、ママ毬子さんと2人で、パパの絵を展示した美術館で暮らしています。

自由奔放で、天真爛漫で、そのくせ棘も毒もしっかりあって。繊細なようで、たくましく、行動力がありすぎて、「攻撃は最大の防御」などと言って澄ましている。そんな毬子さんは、確かに魅力的です。でも、それに振り回されっぱなしの、いずみと毬子さんの取り巻きの男性たちも、それぞれに魅力ある人物として描かれています。そして、それぞれが毬子さんに振り回されつつも、快適な距離を保って、なんとか仲良くしている感じが、読んでいてとても心地いいです。

「美術館で暮らしている」という設定がもう、個人的にツボだったのですが、この設定は少しだけ現実離れした雰囲気をこの小説に作り出し、それはこの小説の必須アイテムです。

なぜなら、ストーリーは、よく考えると実は暗いから。毬子さんの取り巻きの一人に、いずみは片想いをしていて、母娘で三角関係をやっていたりします。死んだパパと毬子さんの間には、いずみの知らない秘密もあるようです。でも、それらをさらりと読ませてくれるのです。とても不思議な本でした。

親子であっても計り知れない、人の心の中は、森のように深い迷路ですね。
| あ行(井上荒野) | 13:36 | - | - |
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