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▲ いつか、キャッチボールをする日 鯨統一郎
いつか、キャッチボールをする日いつか、キャッチボールをする日
鯨 統一郎

PHP研究所 2007-10

そろそろ引退についても本気で考え始めたベテランプロ野球選手・新島隆二。隆二には隼という小学生の息子がおり、隼も野球チームに所属していますが、野球は上手くありません。キャッチボールもまともにできず、球拾いばかりさせられています。隆二は、そんな息子に辛抱強くキャッチボールを教え、少しずつ良い父子の関係を、築こうとしていました。

しかし、そんな矢先に、隼が重い心臓病であることが発覚します。莫大な手術費用をねん出しなければならなくなった隆二は、様々な事件に巻き込まれていきます。

隼が心臓病になるまでは、温かい家族の小説として、やや退屈ではありましたが、広い心でほのぼのと読めたんですよねー。でも、その後がなあ。ミステリー作家鯨統一郎の本領発揮となるかと思いきや、そうはならず。唐突に事件が起こり、ご都合主義に展開し、ありえねーっ!と、突っ込みたい事の連続。そういう小説手法もあるのでしょうけれど、「家族」「病気」「誠意」「良心」などがテーマの小説の場合、合わないです。偉そうな事言ってすみません。

感想を書こうなんて思わずに、ただ素直な気持ちで読めば「ちょっといい話を読んだな」という感想で終われたのかもしれませんね。でも、私の感想は、正直に言うと「なんだったんだこりゃ」でした(汗)

鯨さんには、やっぱり、歴史についてマニアックに語ったり、荒唐無稽な天変地異を事細かに描写したりといった、熱い作品が似合う気がします。そういうのを、また読みたいです。鯨さんは、基本的には好きな作家さんなんです。
| か行(鯨統一郎) | 09:56 | - | - |
▲ 富士山大噴火 鯨統一郎
富士山大噴火富士山大噴火
鯨 統一郎

講談社 2004-03

タイトルどおり、富士山の大噴火を描いたフィクション。それを予知した人々と、対応に追われる人々、巻き込まれていく人々を描いた群像劇です。カメラマンの達也と、その恋人さゆりの恋愛劇もからめられて、まあまあ、楽しめる本でした。映像的な描写が多くて、迫力がありました。CGが映画で多用され始めた頃、ウワーッと出てきたパニックもののハリウッド映画みたいでした。

ただ、真面目に読むとバカを見る、というか・・・。まったくリアルではない本。リアルに描かれたら、とっても恐ろしい本になってしまうと思うので、これはこれで私は好きでした。でも、ちょっとでも専門的な知識がある方は、つっこみまくりだろうなあって思いました。

「オレンジの季節」を最近読んだので、警戒態勢をしいて読んだのですが、その必要はありませんでした。いいんだか悪いんだか(笑)←わかる人だけわかってください。
| か行(鯨統一郎) | 22:58 | - | - |
■ オレンジの季節 鯨統一郎
オレンジの季節オレンジの季節
鯨 統一郎

角川書店 2006-08

恋愛とは美しき誤解であり、
結婚とは惨憺たる理解である。

結婚とは何か?
家族とは何か?
その答えがこの本の中にある
(かもしれない)

帯より。
短いし、読みやすいので、ぜひ、みんなに読んでほしい。この衝撃を分かち合いたい!

あらすじをざっと書きましょう。主人公は、サラリーマンの立花薫。1つ年上の職場の上司、戎怜華と恋愛関係にあり、冒頭でプロポーズします。怜華はプロポーズを受けますが、その条件は、薫が寿退社して、専業主夫になることでした。

薫は同期の中では出世頭であるという自負もあり、男のプライドもちゃんとあり、悩みます。しかし、結局は怜華に説得される形で、泣く泣く専業主夫として、戎家に婿入りすることになります。

戎家は、ボケかかって介護の必要な祖母、保険会社の支店長である厳格な父、市の助役を務め、次期市長の呼び声も高い母、女優志望の姉、大学生の弟、高校生の妹、という大家族です。そこに、ろくな料理の経験もないのに、主夫として飛び込んできた薫の奮闘記です。少し前にドラマになった「アットホーム・ダッド」を思い出しました。あのドラマ、好きだったなあ。

家族それぞれにそれぞれの思いがあり、家族が多いという事は、それだけ問題も多いという事ですよね。主夫の薫は、思いもよらない様々な問題にぶつかります。義父は「主夫」など認めないと言いはり、義弟はまずいと料理を食べてくれない。義妹は下着を洗濯されたと泣く。ようやく家事にも、近所づきあいにも慣れると、こんどは、妻の想像妊娠騒ぎが持ち上がる。主夫生活は、波乱万丈です。

さて、薫と、この家族の物語は、どんな風に展開していくのでしょうか?

私にしては、かなりのページ数分、あらすじをばらしています。これだけあらすじをばらしてしまっても、絶対、誰にも、この本のラストは予想できないだろうと思います。ぜひ、どうなるのかなあ?と予想しながら読んでみてください。絶対はずれると思いますが、ここまで予想外だと、いっそ爽快です。気持ちいいッ!

鯨統一郎さんが書いた本だから、許せる一冊。他の作家さんがやったら、反則で、私の本棚から退場です(笑)。
| か行(鯨統一郎) | 10:49 | - | - |
● 新・世界の七不思議 鯨統一郎
新・世界の七不思議新・世界の七不思議
鯨 統一郎

東京創元社 2005-02-24

再読。

「邪馬台国はどこですか?」の姉妹編。日本の歴史上の謎が中心だった前作に比べて、こんどは、世界の七不思議、ということで、元歴史少女の心にジャストミートです。アトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ナスカの地上絵、モアイ像、なんて、もう単語が並ぶだけで、ワクワクします。子供の頃の私は、そんな本ばかり読んで、図鑑を眺めて、将来は考古学者になりたいと、一時は本気で思っていました。

「邪馬台国〜」のほうが、日本人なら誰でも知っている謎が元になっていたので、一般的に受けはいいと思います。この「新・世界の七不思議」に関しては、好みが別れる本だろうとは思いますが、上記のような単語に、子供の頃のあのワクワク感を思い出す、という私のような方には、オススメです。「邪馬台国〜」より、面白いかも!

これらの謎が、日本の片隅のうらぶれたバーで、歴史学者の静香と、アマチュアの歴史ファンである宮田によって検証されます。相変わらず、静香さんは毒舌で、かっこいいです。そしてその静香さん相手に一歩も引かず、どこまでが本気で、どこからが冗談なんだかわからない自説を披露する宮田もかっこいいです。それに、場末のバーのはずなのに、やたら「しかけ」が充実してきた「スリー・バレー」には笑えました。いいなあ、こんな店。

冒頭の、
この作品がノンフィクションであるという保証はどこにもありません。
という著者の言葉にも笑えました。

○ アトランティス大陸の不思議
○ ストーンヘンジの不思議
△ ピラミッドの不思議
○ ノアの方舟の不思議
□ 始皇帝の不思議
□ ナスカの地上絵の不思議
△ モアイ像の不思議

それにしても・・・。三つ子の魂百まで、と、言いますが、わたしってやっぱり、子供の頃から社会が好きだったんだなあって、思い出しました。子供の頃持っていた、図鑑も百科事典も、社会に関係のある巻だけが傷んでいっていたなあ。生物や、科学や、物理系の分野の巻は、いつまでも綺麗なままでした。かろうじて、天文と地学の巻には、読んだ形跡がありましたが。
| か行(鯨統一郎) | 10:23 | - | - |
▲ ヒミコの夏 鯨統一郎
ヒミコの夏ヒミコの夏
鯨 統一郎

PHP研究所 2003-08

さらっとネタバレしています。

「日本農業新聞」に連載だったそうですが。なんだか、あからさまにそれが内容に反映されていて、そこが一番笑えました。つまり、外米は危険だ!国産米を買え!買おう!買ってください・・・お願いですから・・・。と、そういうお話でした。

「ヒミコ」というブランドの米は、誰が食べても美味しいと感じる味で、業界の常識を超えるスピードでシェアを伸ばしています。この件について取材をすることになったのが、ライターの祐介です。祐介はある日両親を亡くし、記憶も無くした、穂波という少女を拾ったのですが、ともに過ごすうちに穂波は、自分が「ヒミコ」を売り出した、ホワイトコスモ食品の社員の娘であったことを思い出します。(そんな、ご都合主義なっ!)

鯨さんの作品の中では、まとも系列の作品で、しかも文体は、淡々とした中にユーモアのある、いつもの雰囲気なので、読みやすいです。サクサクサクっと読めます。両親を殺された穂波や、生殖能力を無くした祐介の心情に、不自然なほど踏み込んでいかないところも、実に読みやすいです。読後感もいいし、電車の中で立ち読みするには最高の1冊!

でも、やっぱり、ちょっと物足りなかったな〜。日本の生態系の絶滅の危機の前には、すべての事が小さい事ではありますけど。登場人物にもエピソードにも無駄がなくて、大団円。でも、このネタなら、もっと広げることも、深めることもできたと思うのに、なんか小さくまとまってしまった気が・・・ああっ、もったない! 

ああっ、私ったら、偉そうに・・・。

あ、そうそう。さらに小さくまとまってしまったような気がする本ではありますが、「グリーン・レクイエム」新井素子 を思い出しました。
| か行(鯨統一郎) | 19:16 | - | - |
● 邪馬台国はどこですか? 鯨統一郎
邪馬台国はどこですか?邪馬台国はどこですか?
鯨 統一郎

東京創元社 1998-05

再読。この本、大好きなんですよ。歴史検証コメディ。
歴史好きにはたまらない一冊です。

□ 悟りを開いたのはいつですか?
○ 邪馬台国はどこですか?
○ 聖徳太子は誰ですか?
□ 謀反の動機はなんですか?
△ 維新が起きたのはなぜですか?
  奇跡はどのようになされたのですか?

本当に歴史に詳しい人なら、あまりに荒唐無稽で失笑物の一冊なんでしょうけれど。(私も、さすがに、「奇跡はどのようになされたのですか?」はあまりにも荒唐無稽で、受けつけませんでしたから。「ダ・ヴィンチ・コード」以上に、そんなわけねーっつうの(笑)。)

でも、どこからどこまでが信憑性のあるうんちくで、どこからどこまでが許される範囲の仮説で、どこからどこまでが絶対にありえない嘘なのか、まったくわからない、煙に巻かれた感じが、たまらなくいいんですよね。

歴史が好きだということは、もちろん、暗記が好きだってことじゃないんだよなあ。記録に残っているわずかな事から、記録には残っていないたくさんのことを、ああでもないこうでもないと想像するのが楽しいの。それは単なる想像であってはいけなくて、現存している証拠や、現在の状況と一致していなければならない。正解のないクイズを解く感じ、あるいは、なんらかの創作活動に近いんですよ。

それを楽しむための基礎知識として、中学・高校の授業では、ある程度の暗記が求められているのでしょうが・・・。順番が逆のような気がしてならない。呪文のように用語を覚えて、語呂合わせで、年号や人名を覚えて、テストが終ったら全部忘れて・・・。こんな教え方じゃあ、歴史好きの子供は減っていく一方だよな、と、思う毎日(私、あるときは塾講師なのです。)

この小説のような楽しみを味わわせてあげられるような、歴史の授業が出来たらいいのに。最低限の知識とヒントをあげて、そこから想像あるいは妄想OKの授業をするところから、歴史の授業が始められたら、歴史嫌いの子供が減ると思うんだけどなー。暗記なんて、ぜーんぶ後回しにしてさ。年号暗記なんて、大学生くらいになってから、史学科の人だけがやればいいんじゃないの?っていうか、電子辞書があれだけ小型化した今、暗記をする必要性がまったくわからない・・・。
| か行(鯨統一郎) | 00:45 | - | - |
あすなろの詩 鯨統一郎
photo
あすなろの詩
鯨 統一郎
角川書店 2003-10

by G-Tools , 2006/05/09




6人の学生が、伝説の文芸同人誌「あすなろの詩」を復刊しようと立ち上げた文芸部。男4人、女2人。友情、恋愛、小説家になるという夢。全体の3分の2ほどを占める第1章「平和の章」は、ど真ん中の爽やか青春小説でした。この部分は、なかなか面白かったです。実在の作家や作品があげられ、それが6人それぞれの視点で評されるのも、本好きにはそこそこ面白いと思います。

そして第2章「殺戮の章」。「あすなろの詩」が完成し、文芸部はそれを記念して、合宿に行くことになります。ここから事件がおこり、第3章「解決の章」で解決します。

第2章、第3章は、すべてがとってつけたように唐突で、不自然です。事件は本格ミステリィのエッセンスをつぎはぎして凝縮したものであり、小説であることを半ば放棄しているようにも見えます。クイズ番組の1コーナーか、なぞなぞ本や、「頭の体操」本みたい。

「希代のトリックスターが投げかける、かつてない挑発!」だそうですが、つまりこれは読者に、「この事件を解いてみろ!」ということなのかな?と、思いました。第2章をしっかり読めば、読者にも犯人がわかるようになっています。(この観点からすると、第1章は、不要です。)

本格ミステリィに対してしばしばなされる、人間が描けていないとか、リアリティがないとかいった批判に対して、何が悪い、と、潔く開き直りました、という本なんだと思います。あっぱれな心意気ですが、やはり・・・この後半は小説としては、ダメでしょう。

・・・という風に私は読み取ったのですが・・・何かさらに奥がありそうな気も・・・。解説求む!
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| か行(鯨統一郎) | 14:20 | - | - |
■ ふたりのシンデレラ 鯨統一郎 
4562035331ふたりのシンデレラ
鯨 統一郎
原書房 2002-08

by G-Tools

ネタバレあり!

史上初の大ワザ炸裂!
1人8役!!・・・・・・?
「ふたりのシンデレラ」を演じる劇団の合宿中に、1人が殺され、1人は重傷、そして1人がいなくなった・・・。シンデレラが仕掛けた驚愕の「罠」とは!?
帯より。

わたしはこの事件の証人です。同時に、犯人です。そして、犠牲者でもあります。それどころか、探偵役でもあります。加えて、ワトソン役も務めます。もちろん記録者でもあります。さらに濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。最後に共犯者でもあるのです。
本文の冒頭より。

さあ、叙述トリックの臭いがプンプンしてきましたね〜。作者、勇気あるなあ、って思いました。この冒頭は、「期待を起こさせる」というよりも、「ハードルをあげてしまった」感じ。まあ、この本は、それだけで終わる本ではないので、最後まで読んでも損はありませんが。

それにしても、このオチのネタは・・・。色んな人に使われすぎていると思う。すっかり騙されちゃって、えっ!とびっくりした私が言うのもなんだけど、またこれですか?って感じ・・・。

| か行(鯨統一郎) | 22:34 | - | - |
■ MORNING GIRL 鯨統一郎 
4562038950Morning girl
鯨 統一郎
原書房 2005-06

by G-Tools

人類の睡眠時間が、目に見えて減っている。最初に気がついたのは、宇宙に浮かぶスペースアイランド「飛翔」に滞在中の流行作家・スティーブと、人体コンディショナーのエドナ。同じく「飛翔」に滞在中の睡眠学者・ダイアンと共に、この謎の現象を解こうとチームを組みます。

「母なる地球」は、オゾンホールからかつてない量の紫外線が降り注ぎ、
たてつづけにおきた原発事故により、放射能汚染が広まっています。宇宙から見る地球が、青ではなく、紫に見えるほどです。

「人はどうして眠るのですか?」
ついにわかってしまった壮大なその仕組み
帯より。この本のラストでスティーブがたどりつくその「壮大なその仕組み」は、鯨さんらしく、いくらなんでも荒唐無稽。でも、アメリカンポップなSFとして、ぶっとんでる感を楽しませてもらいました。

それにしても人類は、自分たちのことさえ、本当に何も知らない。睡眠とは何か、夢とは何か、それだけではなく、芸術とは何か、人生とは何か、自分たちはどこから来てどこへ行くのか、地球はなぜこんなにも特異な星なのか、そんな基本的なことさえ知らない。そこんとこをちょっと、自覚したほうがいいよね。
| か行(鯨統一郎) | 22:43 | - | - |
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