2013.08.16 Friday
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闇の底 薬丸 岳 講談社 2006-09-08 |
少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。狂気の劇場型犯罪が、日本中を巻き込んだ−。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。デビュー作『天使のナイフ』では、犯罪者の更生と贖罪について、当人の内側から描く視点でしたが、今回はそれを外側から描いているんだな、と、思いました。同じテーマの裏と表、って感じです。だから、全然違う物語なのに、なんとなく2番煎じの臭いがする・・・(笑)。でもまあそれは、すでに作家としてカラーが確立しているってことなので、いいことですよね。
箱の中の天国と地獄 矢野 龍王 講談社 2006-10-06 |
今夜は心だけ抱いて 唯川 恵 朝日新聞社 2006-03 |
若いカラダとこの帯とタイトルがなあ・・・。これを見ると、濃厚な恋愛小説を期待してしまいますよね・・・。でも、この小説は、違うんですよ。違うんです!恋愛小説として薄っぺらいと言いたいのではありません。ただの恋愛小説と言い切ってしまうのはもったいない本なんです!もちろん、若者の恋愛と、大人の恋愛について描かれていて興味深かったし、勉強になったし、恋愛小説ならではの素敵なシーンも切ないシーンも、醜悪なシーンもたくさんあって、良かったんですけどね。
熟れたココロ
熟れたカラダと
若いココロ
女はどっちで恋をする。
雨のち晴れ、ところにより虹 吉野 万理子 新潮社 2006-07-20 |
いつかは壊れるものなら、最初からいらないと思っていた。と、あったので、恋愛小説かと思ったのですが、それだけではありませんでした。夫婦、親子、友人など、色んな人間関係がテーマになった、短編集です。どの短編も、湘南が舞台、という共通点はありますが、とくに連作になっているとかいうことはありません。(追記:いや、連作だ。それも、長編と言っていいほどの連作だ。というご意見が多いようです。実は、今では私もそう思ってます。この感想を書いた時点では、全然読めていなかったんですねー。長編とまでは思わないけど、これは見事な連作短編集です。詳しくは、本を読む女。改訂版と+ChekoaLibraly+のブログの記事をご覧ください。2006.08.24)それぞれの短編が、それぞれの色を主張している、バラエティにとんだ、読み応えのある短編集でした。基本的には「ちょっといい話」が多く、やさしくて、さわやかで、気持ちのいい、癒される本です。強烈なインパクトがあるストーリーではありませんが、とにかく、いい本です!
同じ想いにならないのなら、
この人を好きになることはないとおもっていた。
風味絶佳 山田 詠美 文藝春秋 2005-05-15 by G-Tools |
日頃から、肉体の技術をなりわいとする人々に敬意を払って来た。職人の域に踏み込もうとする人々から滲む風味を、私だけの言葉で小説世界に埋め込みたいと願った。「職人」にこだわったことが、短編集全体としては、あまり生かされていないような気がします。そこだけが、ちょっと残念。
あとがきより。
まだ見ぬ冬の悲しみも 山本 弘 早川書房 2006-01 by G-Tools |
天使のナイフ 薬丸 岳 講談社 2005-08 by G-Tools |
PAY DAY!!! 山田 詠美 新潮社 2005-07 by G-Tools |
恋愛中毒 山本 文緒 角川書店 2002-06 by G-Tools |
どうか、神様。
いや、神様なんかにお願いするのはやめよう。
どうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛し過ぎないように。
愛しすぎて、相手も自分もがんじがらめにしないように。
私は好きな人の手を強く握りすぎる。相手が痛がっていることにすら気がつかない。だからもう二度と誰の手も握らないように。
諦めると決めたことを、ちゃんときれいに諦めるように。
二度と会わないと決めた人とは、本当に二度と会わないでいるように。
私が私を裏切ることがないように。
他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
雨と夢のあとに 柳 美里 角川書店 2005-04-08 by G-Tools |