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禅定の弓 椹野道流
4061823809禅定の弓 鬼籍通覧
椹野 道流
講談社 2004-07-06

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鬼籍通覧シリーズ第5作

伊月とミチルが解剖を依頼された、単なる焼死と思われた老人は、火事の前に死んでいたことが判明します。ちょうどその頃、連続小動物殺害事件が発生。伊月の幼馴染・筧が一人で捜査にあたります。二つの事件が結びついたとき、真相が明らかになります・・・。

今回は社会派な感じが強かったですね。オカルト的な要素が少なくて。小学校のうさぎが殺される事件って、最近もあったし、ちょっと前にもあったし、ずっと前にもあったよね。私が子供の頃にもあったし。「弱いものを殺すことでストレスが解消する」という心理は、普遍なんでしょうか。それとも、誰もがどこかで聞いたことがある事件なので、深層意識化で真似してるのかな。
| は行(椹野道流) | 00:12 | - | - |
隻手の声 椹野道流
4061822586隻手の声―鬼籍通覧
椹野 道流
講談社 2002-09

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鬼籍通覧シリーズ第4作

今回は全体的に、虐待、それから子供、が、テーマになっています。ネットゲームがクローズアップされていて・・・2002年って感じです。もちろん、今読んでもちゃんと面白いですけど!・・・いや、面白いというか興味深い。いくら軽いのりで読める本でも、テーマがテーマなので、暗いは暗いですからね・・・。

継父の暴力に悩んで保健室登校をしている少女は、保健室のパソコンからネットゲーム三昧。魔法使いとしてネットの中で伊月と出会い、打ち明け話をするようになります。

ミチルが親子鑑定をする事になった少女は、「お父さんが本当のお父さんなら、お金になるから嬉しい」と言い、伊月を落胆させます。

物語の最後に伊月が解剖する赤ん坊の事件には、赤ん坊の兄である少年が登場します。

それぞれの子供と伊月の会話の中に、伊月の成長が見えて、嬉しい感じです。
| は行(椹野道流) | 22:16 | - | - |
壷中の天 椹野道流
4061821652壷中の天―鬼籍通覧
椹野 道流
講談社 2001-06

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鬼籍通覧シリーズ第3作。

2人の監察医と、警察が死亡を確認した遺体が、搬送中に消えた。事件解決のヒントは、「風太がずんこを殺した」「アヒルの足は、赤いか黄色いか?」の2つ。新人監察医の伊月と、先輩のミチルは謎を明かす事ができるか?相変わらず、このシリーズは先が読めなくて面白いです。

3作目にしてやっと気づいたんですが、このシリーズって、かなり旬のものなんだね。ニュース性重視というか。この本にも、DDRとか、チャットやオフ会などが、いかにも新しいもののように登場しています。出版が2001年の初めだから、当時はやってたんだろうね。DDR、懐かしい!

科学:ホラー=7:3のミステリーシリーズですが、今回は、ホラー部分がかなり怖かった!オカルトは、私は信じないから、基本的にあんまり怖くないんだけど、この作品のクライマックスは、きました。ぞぞ〜!私はもう読みたくない・・・って気分ですけど、つまりホラーとしてすごく上手ってことなんでしょう。
| は行(椹野道流) | 22:07 | - | - |
無明の闇 椹野道流
4061821180無明の闇―鬼籍通覧
椹野 道流
講談社 2000-03

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法医学教室シリーズ第2弾。

この巻で主役の、法医学教室の大学院生・伊月が、医師国家試験に合格します。とうとう伊月は、医師として、法医学者として、第一歩をふみだしたわけです。

法医学者は、「法」に仕える。何人にも偏らず、また屈せず、如何なるときにも中立を保ち、冷静にメスをふるわなければならない。

あたりまえですけど、これが法医学の原則。でも、新米の伊月も、先輩の伏野も、迷ったり悩んだりしています。たとえば、若いお母さんが、赤ちゃんを抱いてちょっと居眠りした隙に、赤ちゃんが窒息死してしまった場合。伊月たちには、赤ちゃんが健全に発育し、身体も清潔で、よく世話をされていたことがわかります。お母さんが居眠りしてしまったのも、その間に赤ちゃんの咽が詰まってしまったことも、不幸な偶然、としか言いようがない。それでも、家族に「赤ちゃんの死は、お母さんのせいです」と報告しなければならない。裁判が起きれば証人にならなければならない。責任の重い仕事ですねー。

まあ、例によってこの本は、法医学だけでは終わりません。ホラーの要素が少なからず入っていて、エンターテイメント性が高いです。今回は、伊月の先輩ミチルの過去のトラウマが明らかになり、20年前のひき逃げ事件に裁きが下される事になります。最後に語られる、人間の良心に関する教授の持論に納得。読み応えがありました。教授、いい先生だなあ。
| は行(椹野道流) | 21:49 | - | - |
暁天の星 椹野道流
4061820796暁天の星―鬼籍通覧
椹野 道流
講談社 1999-06

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再読。

法医学教室を舞台に、司法解剖を受ける事になった死体からはじまる事件をを扱ったシリーズ。短編集なのですが、ある作品はリアリティのある科学的なミステリーであり、ある作品はまったく科学的ではないホラー。同じ本の中で、同じキャラクターが、同じ文体で活躍しているのに、ジャンルが違うものが混ざっているんです。だから、最後まで、気を抜けない、ちょっと変わったシリーズです。

最近本屋さんで、このシリーズがX文庫ホワイトハートシリーズに入って再版されたのを知りました・・・。ちょっとびっくりしたけど、読み返してみれば確かに、若い女の子向けだなあ。美形の主人公が法医学教室の新米ドクターで、先輩ドクターと、幼馴染の刑事の3人で、事件を解決するんです。紅一点の先輩ドクターは、ボーイッシュでナチュラルな女性。幼馴染の刑事は、ケンカが強くておしゃべりで主人公とは正反対の魅力。少女マンガチックなイラストがつけば、完全にホワイトハートだ・・・。
| は行(椹野道流) | 03:36 | - | - |
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