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● ALONE TOGETHER 本多孝好
4575234028ALONE TOGETHER
本多 孝好
双葉社 2000-09

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わたしは、今まで読んだ本多さんの本の中で、一番面白いと思いました。設定も面白いし、ストーリーもいいし、人物の思考に矛盾がなくて読みやすい。前向きなラストも好きだし、恋愛メインのストーリーじゃなかったのに、終わってみると、ものすごいラブストーリーだったというオチのショボさ・・・っていうか内容の薄さも良かった。←っていうと、誉めているようには聞こえないでしょうが、このテーマで重すぎる小説なんて、読みたくないもの。

テーマは、人と人は、どこまで分かり合えるのか、みたいな事・・・だと思います。主人公は、他人の波長とシンクロすることによって、その人の深層心理を知る事のできる特殊な能力をもっています。彼の言う、人間の本音、というものが、とっても納得できるものだったので、読んでいてすっきりしました。でも、彼のように口に出しちゃったらダメだよね・・・。彼はとっても若くて青いです。ぜひもっと成長して、今までの不幸を忘れるくらい、幸せになって欲しいなあ。

今、ちょっと検索かけてみたら、この本あんまり評判良くないんですね・・・。みんな言っているのは、「Missing」のほうが良かったということ。だから、短編のほうがむいているのでは?ということ。

私は、つい最近、遅ればせながら、「Missing」を読みました。まだ1月しかたってませんが、内容を覚えてません!雰囲気はいいんだけど、ストーリーがつまらない!と、思った記憶があります。(ファンの方ごめんなさい。)あちこちで言われているように、村上春樹の物まねというよりは、吉本ばなな男性版だな、と、思った記憶もなんとなくあります。その程度です。

わたしは断然、「ALONE TOGETHER」のほうが好き。結局、私は、「普通の世界の本」が好きじゃないのかもしれません。せっかく本を読むのなら、非日常的なものがいい、と、思ってる。だから、好きな作品が、SFやファンタジーやミステリーに偏ってしまうんですねー。
| は行(本多孝好) | 12:08 | - | - |
■ 真夜中の五分前 本多孝好
4104716014真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A
本多 孝好
新潮社 2004-10-29

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4104716022真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B
本多 孝好
新潮社 2004-10-29

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著者によると、恋愛関係ではなく、恋愛感情を描いた小説なんだそうです。なるほど、という感じ。主人公の「僕」が、どんな人間なのかつかみ辛いのですが、side-A の終盤くらいから、彼にどんどんひきつけられました。

というわけで、side-A は、よかったと思います。好きです。「あなたは五分ぶん狂っている」と言われてしまうような、ひねくれた感情表現をする「僕」。社会や他人と、少しだけずれて生きている彼が、かすみ、という女性と知り合うところから物語がはじまります。辛い恋をしているかすみを支えるうちに、「僕」にも変化がおとずれます。

色んな恋が出てくるのですが、どれもこれも切なかったです。ディティールや、会話が、都会的な雰囲気なのに、ストーリーがどこかバタ臭いというか、とても人間っぽい本でした。

side-B は、ちょっとなあ・・・。いくらなんでも、大人になった双子の見分けが、夫につかないなんて・・・というところで納得できなかったので、さめてしまった。それに、本気で好きになった相手が、2人とも交通事故で死ぬなんて、すごく可哀想だけど・・・。あんた、疫病神?と言いたくなる。それに、ゆかりなのか、かすみなのか、読者にもよくわからないのがなんとも心地悪い。ラストのゆかりの行動にいたっては、意味不明。

side-A だけにしておけばよかったのに・・・(私見!)。
| は行(本多孝好) | 00:39 | - | - |
▲ MISSING 本多孝好 
4575508039MISSING
本多 孝好
双葉社 2001-11

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ずっと前から読みたいと思っていた、本多孝好さんのデビュー作。独特の雰囲気のある短編集です。

この雰囲気はなんだろう。透明感じゃないし、虚無感でもないし。一番近い言葉は「寂寥感」かなあ。もちろん「喪失感」もあるし。さらっとしてて読みやすいんだけど、かなり感傷的なので、物語に入り込めるかどうか、読む時と場合を選ぶかも。

・眠りの海
・祈灯
・蝉の証
・瑠璃
・彼の棲む場所

「眠りの海」「祈灯」「蝉の証」「彼の棲む場所」はとてもよかった。よくまとまった短編。罪悪感とか、責任とか、嘘とか、死とか、重いテーマを真面目に扱っているわりに、読みやすくて、なんともいえない余韻があって。好きでした。

「瑠璃」は、ルコちゃんの手紙を「僕」が読まないという選択が、気に入らない。気持ちはわかるんだけど・・・読者として消化不良を起こしてます。ルコちゃんというキャラは好きなんだけど。「僕」っていったい何なんだ!

でも、この消化不良感のおかげで、さらりと読めて好きだった他の4つの短編より、この「瑠璃」が印象に残ってしまった・・・。
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