わたしは、今まで読んだ本多さんの本の中で、一番面白いと思いました。設定も面白いし、ストーリーもいいし、人物の思考に矛盾がなくて読みやすい。前向きなラストも好きだし、恋愛メインのストーリーじゃなかったのに、終わってみると、ものすごいラブストーリーだったというオチのショボさ・・・っていうか内容の薄さも良かった。←っていうと、誉めているようには聞こえないでしょうが、このテーマで重すぎる小説なんて、読みたくないもの。
テーマは、人と人は、どこまで分かり合えるのか、みたいな事・・・だと思います。主人公は、他人の波長とシンクロすることによって、その人の深層心理を知る事のできる特殊な能力をもっています。彼の言う、人間の本音、というものが、とっても納得できるものだったので、読んでいてすっきりしました。でも、彼のように口に出しちゃったらダメだよね・・・。彼はとっても若くて青いです。ぜひもっと成長して、今までの不幸を忘れるくらい、幸せになって欲しいなあ。
今、ちょっと検索かけてみたら、この本あんまり評判良くないんですね・・・。みんな言っているのは、「Missing」のほうが良かったということ。だから、短編のほうがむいているのでは?ということ。
私は、つい最近、遅ればせながら、「Missing」を読みました。まだ1月しかたってませんが、内容を覚えてません!雰囲気はいいんだけど、ストーリーがつまらない!と、思った記憶があります。(ファンの方ごめんなさい。)あちこちで言われているように、村上春樹の物まねというよりは、吉本ばなな男性版だな、と、思った記憶もなんとなくあります。その程度です。
わたしは断然、「ALONE TOGETHER」のほうが好き。結局、私は、「普通の世界の本」が好きじゃないのかもしれません。せっかく本を読むのなら、非日常的なものがいい、と、思ってる。だから、好きな作品が、SFやファンタジーやミステリーに偏ってしまうんですねー。