「現実入門」が面白かったので、再読。
でも、以前に読んだときは、かなり適当に読み飛ばしてしまった本だったので、初読のようなものですが。
最初に読んだときは、笑えないくらい本気で暗い、自虐的な文章だなあと思いました。自虐をネタでやるなら、読む人を暗い気持ちにさせない自虐をやって欲しい、と、思ったし。哀愁を感じるというより・・・なんでこんなにネガティブなんだ!と、怒りさえ覚えてしまいまして(笑。どうしてもこの本が好きになれなかったんです。彼の「世界音痴」的な部分には、私も、少し共感できるというか、私も「世界音痴」の一人だなあとは思うのですが。
でも、彼が自虐的になっているのは、「世界音痴」だからというより、「結婚できない」からなんだもの。彼にとってそれが、一大事だという事はよくわかりましたけど、あまりにプライベートな事すぎて、そんなネタで本1冊つくるなよ、と、思った次第です。小説ならともかく、エッセイなんだもの・・・。
でも、「現実入門」を読んだあとで、この本を読むと、すごくしみじみと味わい深いです。本当によかったですね・・・穂村さん。人間は、何歳になっても成長できるんだなあ、と、思ったりしました。このエッセイ、改めて読むと、けっこういい本でしたね。