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■ 本当はちがうんだ日記 穂村弘
4087747662本当はちがうんだ日記
穂村 弘
集英社 2005-06

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面白かった・・・。小説の主人公で、「今の自分は本当の自分ではない」なんて言ってるモラトリアムな人を見ると、ちょっとイラついてしまう私ですが、それは彼らが、仕事をしない事や、女性関係にだらしない事の言い訳にそれを使うからであって。社会できちんと仕事をしていて、文筆業でも人気があって、もっと天狗になってもいいような人が、こんなにウジウジしていると、高感度アップです。素敵レベルをアップさせたいだなんて、かわいい!

ウジウジはしていて、そこに親近感がわくんだけど、本当はかなり自分を客観的に分析されている方で、嫌みを感じさせないプロの文章です。さすがです。

・エスプレッソ
・あだ名
・素敵側へ
・タクシー乗り場にて
・クリスマス・ラテ
・DVD
・それ以来、白い杖を持ったひとをみつめてしまう
・あとがき

が、好きだった。好きなものを選んでのせたとは思えないほどの量に見えるでしょうけど、このエッセイ集は短いエッセイばかりが、60以上載っているので、かなり厳選しました。何度も言っていますが・・・本当に結婚できてよかったね!
| は行(穂村弘) | 23:31 | - | - |
■ もうおうちへかえりましょう 穂村弘
4093875081もうおうちへかえりましょう
穂村 弘
小学館 2004-05

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「世界音痴」に続く、穂村さんの二冊目のエッセイ集。「世界音痴」を初読の時は、嫌いだ、と、思ってしまったので、この本も読んでいませんでした。(「世界音痴」。今は、味わい深くて好きです。温かい気持ちで読めます。)

「世界音痴」より、あからさまにうまくなってる!・・・なんて言い方は生意気ですが・・・。プロっぽい文章になってるなあ、と、感じるのは私だけでしょうか。読む人の気持ちを考えて書いてくれてる文章だなあ、というか。とことん主観でしかない自分の心の逡巡ネタも読みやすいし、暗ーい自虐ネタでも嫌な気分にならない。客観的なネタも多く、たとえば、「80年代に青春を過ごした」歌人である自分を意識して、同時代の歌人さんや、それ以降の歌人さんについて、時代性という視点から書かれたエッセイがいくつか収録されています。うまく言えないけど、シャキっとしてて、ああ、プロの文章だ、って思いました。

「本当の本棚」という短いエッセイが、とても好きです。
「本当は違うんだ日記」も読んでみようと思いました。
| は行(穂村弘) | 23:34 | - | - |
■ 世界音痴 穂村弘
4093873739世界音痴
穂村 弘
小学館 2002-03

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「現実入門」が面白かったので、再読。

でも、以前に読んだときは、かなり適当に読み飛ばしてしまった本だったので、初読のようなものですが。

最初に読んだときは、笑えないくらい本気で暗い、自虐的な文章だなあと思いました。自虐をネタでやるなら、読む人を暗い気持ちにさせない自虐をやって欲しい、と、思ったし。哀愁を感じるというより・・・なんでこんなにネガティブなんだ!と、怒りさえ覚えてしまいまして(笑。どうしてもこの本が好きになれなかったんです。彼の「世界音痴」的な部分には、私も、少し共感できるというか、私も「世界音痴」の一人だなあとは思うのですが。

でも、彼が自虐的になっているのは、「世界音痴」だからというより、「結婚できない」からなんだもの。彼にとってそれが、一大事だという事はよくわかりましたけど、あまりにプライベートな事すぎて、そんなネタで本1冊つくるなよ、と、思った次第です。小説ならともかく、エッセイなんだもの・・・。

でも、「現実入門」を読んだあとで、この本を読むと、すごくしみじみと味わい深いです。本当によかったですね・・・穂村さん。人間は、何歳になっても成長できるんだなあ、と、思ったりしました。このエッセイ、改めて読むと、けっこういい本でしたね。

| は行(穂村弘) | 19:20 | - | - |
● 現実入門 穂村弘
4334974775現実入門
穂村 弘
光文社 2005-03-23

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歌人・エッセイストとして活躍し、会社員として総務課長まで務めているにもかかわらず、自分の「人生の経験値」は、とても低い、というエッセイを以前に穂村弘は書いた。それをきっかけにミクシィでも、はてなでも、自分の「人生の経験値」をチェックする企画がはやったりした。私は、「WEBで文章を書く事に耽溺するような人間は、穂村さんの「現実が苦手・恐い」という感覚に共感を覚えるのだろうか・・・」と、反響の大きさに自虐的に戸惑ったりしていた。

実は、そういうわけで、今まで穂村さんのエッセイが、あまり好きではなかった。いわゆる近親憎悪というやつですね。でも、今回は、よかった!穂村さんがオドオドと、「献血」「合コン」「部屋探し」などに次々とチャレンジしたレポートは、面白くて、かっこ悪くて、かっこいい!ちゃんと、さりげなくオチも用意されています。でも、そのオチもまだちょっと「現実」が恐い感じが出ているオチで、もどかしくて、・・・素敵なエッセイ本でした!オススメ!

でも、帯がねー。やっちゃいけないネタバレをしてると思うのよねー。ゆるせないなー。できれば、本屋さんではこの本を見ないで、図書館で借りてください。
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