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親指の恋人 石田衣良
親指の恋人親指の恋人石田 衣良

小学館 2008-01-29
許されぬ愛にもがく二人…。究極の恋愛小説
大学三年生の江崎澄雄は、携帯メールの出会い系サイトでメールのやり取りをかさねたジュリアと恋に落ちる。
しかし、二人の経済的な環境は、極端なまでに違っていた。ある日、ジュリアの父親が脳出血で倒れてしまう。
いまどきっぽいものを盛り込んでおけば、いまどきの子に受けるんじゃない?的な臭いがして、安易すぎる〜と思っちゃいました。もしかして元は携帯小説ですか?

それにしても、せっかく恋をしたのなら、そんな結末に向かわなくてもいいのに。どちらかにほんの少し、強さや逞しさやしたたかさがあれば、どんな未来だってあったはずなのに。これが、若さってものなんでしょうか。

二十歳なんて昔すぎてもう忘れちゃったからわかんないわ〜(笑)。とにかく、大人にオススメできる小説ではありませんでした。もちろん、子供には余計にすすめられないけど…。
| あ行(石田衣良) | 21:20 | - | - |
■ 下北サンデーズ 石田衣良
下北サンデーズ下北サンデーズ
石田 衣良

幻冬舎 2006-07

下積み生活が10年を数えた小劇団、下北サンデーズ。劇団員はみんな貧乏で、ぎりぎりの生活をしながら、夢を追いかけ続けています。そこに、里中ゆいか、という女子大生が女優の卵として入団し、それをきっかけに劇団にも変化がおとずれます。ゆいかを中心に、演劇をとことん愛する下北サンデーズの面々を描いた青春グラフィティです。

エピソードはすべて定番だし、波乱万丈のストーリーも最終的には予定調和なんですけど、とことんそれを貫いてくれたことが良かったです。ゆいかの成長と、下北サンデーズの大躍進を、安心して見守ることが出来ました。王道はやっぱり面白い!

2、3回分ですがドラマを見ていました。大筋では、原作に忠実なドラマだったんですね。ドラマは上手に原作をふくらませ、キャラを際立たせ、ディティールを詰め、見事に開花させた良品だったんだなと、改めて思いました。原作もいいけど、ちょっと荒削りな感じがするのも事実。ドラマの評判が良かったのは納得です。再放送があったら、ちゃんと見たいと思います。
| あ行(石田衣良) | 13:27 | - | - |
▲ 眠れぬ真珠 石田衣良
眠れぬ真珠眠れぬ真珠
石田 衣良

新潮社 2006-04-27

年の差恋愛の本です。女性版画家の咲世子は、45歳。彼女は行きつけのカフェで、17歳年下のウェイター、素樹と恋におちます。咲世子の不倫相手や、彼につきまとっているストーカー、素樹の元恋人など、人物相関図はけっこうドロドロなのですが、2人の恋は純愛風で、あまりドロドロ感のない本にしあがっています。

だから、読みやすいといえば読みやすい。でも・・・いまいちのりきれない。物語は、咲世子側から描かれていて、大人の恋のはずだし、悩んだり泣いたりもしているのに、お手軽で薄っぺらい感じがしました。女性版画家と、挫折した若き映画監督が、海辺の街で恋に落ちる、なんて。設定からして安易で、つまんない映画かハーレクインロマンスあたりに、似た物語が大量にありそうな気がするんですけど・・・(具体的には1つも思い浮かばないので、もちろん気のせいなんですけど・・・)。石田衣良さんがこれを書く必要は、ないんじゃないかなあ。

それに、更年期を迎えた女性の気持ちなんて、わたしも未経験なのでわかりませんが、こうではないはずだ、というのはわかるんです。この小説は、主人公の心情描写に、かなりの美化があるように思います。男性から見て、年上の女性には、こうあって欲しいと思う、「年上の女性」像が描かれているんだと思う。勉強にはなりますけどね(笑)。全然リアルじゃありません。

でもそれは、同年代の女性が、自分がこうありたいと望む、「夢の自分」像と、重なる部分があるんじゃないか、とも思うんですよね。創造的な仕事をして、認められているプロであること。海辺のアトリエで暮す、かっこいい生活スタイル。様々な恋愛経験を積んだ後でまた、年下の男に賛美され、女として深く愛されること。心はいつまでも純粋で、少女のように恋をして、母親のように愛していける。そりゃあ咲世子は素敵です。わたしだって憧れます。

だから、女性から見れば全然リアルではない主人公ですが、自分が咲世子になったつもりで読めれば、感動的な、切なくも美しい恋の物語なんだろうと思います。泣けちゃったりもするんだろうなあ。小道具は嫌味なくらいオシャレだし、ディティールに凝ってるし、会話も映画みたいだし。自分は咲世子ではない、ということを忘れて入り込めれば、楽しめるのかもね〜。わたしには無理でしたね〜。

性描写ばかりが生々しく、その他はまったくリアリティのない恋愛小説。残念ながら、私の好みではありませんでした。ごめんなさい。
| あ行(石田衣良) | 14:23 | - | - |
● 灰色のピーターパン 石田衣良
灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉
石田 衣良

文藝春秋 2006-06

やっぱり、IWGPは面白い。私が池袋という街に親近感を持っているということを差し引いても、いけてる、と、思う。マンネリ化は否定できないけど、それでもやっぱり面白い。うん。

今作は特に面白かった気がする。シリーズの中でも、かなり好きな一冊。最後は結局タカシに頼って解決するのね、というお決まりのパターンが、いつもより目立たなかった。小学生や幼児が中心になるストーリーが多くて、ちょっと新鮮だった。いつも、なんとなく無理やり世界を広げようとしている感じがちょっと苦しいなあ、っていうシリーズだったけど、今回は、池袋という狭い街を描きながら、無理なく現代社会を描いている感じで、絶妙なバランスがピタリと決まっていて、良かった。

○ 灰色のピーターパン
盗撮映像のネット販売に手を染める、おそるべき小学生が登場します。ラストシーンが良かった!彼が次に始める商売にとても興味があります。

☆ 野獣とリユニオン
ある少年の暴行で、片足をつぶされ、シェフとして店を持つという夢を諦めなければならなくなった兄。妹は復讐をマコトに依頼します。この作品も結末が良かったなあ。

○ 駅前無認可ガーデン
これは、なんだかすごくリアルで、切ない物語でした。

□ 池袋フェニックス計画
これはちょっと印象が薄かった。一番長い話だったのになんでかな〜。
| あ行(石田衣良) | 13:29 | - | - |
▲ 40 翼ふたたび 石田衣良
40 翼ふたたび40 翼ふたたび
石田 衣良

講談社 2006-02

ネタバレあり。

40歳にして「フリーでなんでもプロデュース業」を起業してしまった喜一と、その仕事を通じて知り合った、お客さんや仲間たちとの交流を描いています。読みやすかったし、面白かったし、時々ほろっとさせてくれて、悪くなかったです。石田さんの最近の作品の中では、まあまあ良かったほうだと思う。登場人物の年齢層ががらりと違うけど、「フォーティーン」路線を狙ってきた感じです。

私は、小説には、どこかで「救い」が必要、と、いつも思っています。って、この言葉は、たぶん誰かの受け売りですけど。方々のブログで目にする言葉ですよね。それだけ近年の小説は、リアリティ重視で「救い」がないものが多いのかもしれませんね。

さて。この本は「救い」だらけです。どこもかしこも「救い」です。ここまでくると、すでに「救い」を超えて「奇跡」です。信じられないくらいお人よしで、生真面目で、仕事の内容も超曖昧で・・・という喜一の起業が、なんだかんだで上手くいってしまうこと自体がもう「奇跡」ですし。登場するお客さん達のエピソードも、超深刻な悩みがあっさり解決する「奇跡」の繰り返しで、終始「そんなに上手く行くわけあるかっ!」と、つっこみながら読みました。

でもまあ、40歳前後の人々に対する応援歌という姿勢には、それだけで好感が持てましたし、爽やかないい本でした。(でもなあ、40歳の割には、みんな、純粋というか、すれてないというか、キャラが軽いと言うか・・・。全員の年齢を15歳ずつ下げても、同じストーリーで行けそうだなあ、そんな本YAにごろごろあるよなあ、とは思いましたけど・・・。)

麺棒でうす〜く伸ばした荻原浩って感じでした。悪くはなかったです。うん。
| あ行(石田衣良) | 22:28 | - | - |
▲ 愛がいない部屋 石田衣良
photo
愛がいない部屋
石田 衣良
集英社 2005-12

by G-Tools , 2006/05/20

恋愛短編集もついに三冊目になりました。
「メゾン リベルテ」。自由の家という名のマンションに住む、そう自由ではない人々の暮らしを、これまでより少しだけリアルに書いてみよう。この本はそんな気持ちではじめた連作集です。
それが「スローグッドバイ」「1ポンドの悲しみ」とはまったく別な味わいになる。スイートなホワイトチョコレートから、砂糖をほとんど使用しないビターなブラックチョコレートへ。百八十度の変化です。

あとがきより
今までの2作は確かに甘くて、「男の人ってロマンチストなのね〜」と、思いました。そういう部分は、この短編集ではなくなっていて、赤面することなく読めました。個人的には、前の2作よりはこの短編集のほうが好きです。前2作にはふんだんに入っていた、女性に対する理想と妄想もこの作品ではそんなに気になりませんでした。

でも、こんな風に「同じマンションに住む」というしばりがある人たちを主役に連作集を作るなら、物語のテイストとしては似たようなトーンで揃えるよりは、バラエティに富んでいてくれたほうが好きなので、ちょっと残念。どれも、ハッピーエンドではなく、かといって現時点ですごく不幸ということもなく、でも不安や空虚感が胸に残る、暗い方向に中途半端テイストな作品たちです。だから、1作1作はけっこう好き。でも1冊の本としては、私の印象は薄いかも。

・ホームシアター
この作品は、一番、違和感がありました。いまどきのニートの若い男が、オヤジと語らう?オヤジに人生相談なんかする?オヤジの前で泣く?石田さんは、こういう物分りのいいお父さんになりたいのかなあ。この物語の先が気になります。物分りのいいだけのオヤジは、ニートの息子を救えるのかな?

・空を分ける
良く知らない男性とルームシェアをすることになり、彼に恋心を抱くようになった梨花の物語。「ルームシェアするなら、恋愛対象になるくらい自分のタイプの人か、あるいはまったくその気にならない安全なタイプ。」という言葉には私は不賛成です。お互いに、相手にまったくその気にならない、安全なタイプでなければ、無理!片想いの相手とルームシェアなんて、その段階で絶対に無理!

この短編、こんな終り方で、梨花ちゃんはこの後どうやって暮らしていくんだろう?わたしならそこでは暮していけないけどなあ・・・。

・指の楽園
キャリアウーマンのうららにとって、マッサージ師の渉との時間は、究極のリラックスタイムです。この作品も、上記の「空を分ける」と同様で、こういう微妙なトークをかわした店に、通い続けるなんて、私にはできない・・・。

・魔法の寝室
魔法の壁紙、見てみたい!どうしても想像できないし、興味津々(笑)。それにしてもこのあと、このご夫婦どうなっちゃうんでしょうか。こんなところで終わりですか・・・。

・落ち葉焚き
連れ合いに先立たれたもの同士の、老いらくの恋。「いい年して恥ずかしくないの」などと言い放つ娘には、本当に腹が立つ。こういう娘に限って、年をとった親の面倒を見る覚悟などないのだろう。この話も、嫌なところで終っている。2人の恋にハッピーエンドを求む!

・愛がいない部屋
この物語には、素直に共感できて、応援できた。DVに苦しむ若奥さんが、光を見出していく物語。最後を飾るのにふさわしい、唯一前向きに終った作品でした。でも、もうちょっと、続きを書いて欲しい作品だった。

他に
・いばらの城
・本のある部屋
・夢の中の男
・十七ヶ月

全体的に、ブチっと切られているような終わり方をする作品が多かったですね。すべてを描かないことで、読者にその後を想像させるっていうテクニックは、よく使われるものだし、そういう余韻の残し方は嫌いじゃありません。でも、この短編集では、情緒も余韻もなにもなく、語られるべき言葉や、描かれるべき事がまだあるのに、ブチっと切られている印象。枚数制限でもあったのでしょうか。
| あ行(石田衣良) | 12:27 | - | - |
▲ 空は、今日も、青いか? 石田衣良
photo
空は、今日も、青いか?
石田 衣良
日本経済新聞社 2006-03-16

by G-Tools , 2006/05/16

若い人に向けてのメッセージ的な色合いの濃いエッセイ集。大人として、なかなか正しいことや、いいことを言っているのではないかと思いました。出会うべきときに出会えれば、誰かにとっての「いい本」になるのではないかな、と、思います。

まあ、特に石田衣良ファンではない、いい大人である私には・・・特に前半がイマイチだったんですけど。説教臭いのはちょっと苦手なんだよね〜(^_^;)。正論すぎて新鮮味がなかったり、売れっ子作家が言っても説得力がなかったり、かっこよすぎて鼻についたり、と、読んでいて楽しくはなかったです。

でも、後半に入ると、説教臭さが控えめになり、石田さんの個人的な経験をもとにした文章が増えて、読みやすくなりました。

タイトルね。表紙だけ見て、「きみの幸運を祈る。」だとおもってしまったのは、私だけ?
| あ行(石田衣良) | 09:56 | - | - |
▲ てのひらの迷路 石田衣良
photo
てのひらの迷路
石田 衣良
講談社 2005-11-15

by G-Tools , 2006/04/14

石田衣良ファンの方は読まないほうが良い、と、思われる感想。

24のショートショート。ひとつひとつの作品に前書きがついている上に、自伝的な小説が多く含まれているので、石田衣良ファンには、たまらない一冊かと思われます。ペンネームの由来もわかりますしね。

好きな作品もありました。「ナンバーズ」「書棚と旅をする男」は、普通にいいお話でした。奇妙な遠距離恋愛を描いた「片脚」「左手」は、SFかホラーのような設定で、エロ面白かったです。「ひとりぼっちの世界」には、すごく共感できたし、「コンプレックス」も可愛らしくて好きだった。

でも。でもでもでも。

この本には、なんだか、読んでいてカクっとなる瞬間があったんですよね・・・。「俺ってカッコいいし?頭もいいし?センスもいいし?売れてるし?もう忙しくってさ〜。オレって時代の寵児って感じ?」みたいな。なんだか自慢げな文章が、鼻につく時があって・・・。私って、心が狭いのかも(苦笑)

「短編小説のレシピ」という作品の中に、雑誌やテレビの取材で忙しくなってからの執筆状況を描いた、こんな文章がありました。
書くことは準備運動なしで、いきなり冷たいプールに飛び込むのと等しくなった。そんなことはとても出来ないと思っていたのに、それでもなんとか読むに耐える作品は仕上がっていく。
読むに耐える作品なんだ・・・。へ〜。

もちろん、作家本人が、自分の作品を「読むに耐えない」と思っているわけはないんですよね。プロなんだから自信はあって当然だし。でも、少なくとも、私と、私の友達の間では、石田作品の評判は急降下中なんです。あんまり読者をなめないで欲しい。

「女性のどこに最初に目が行きますか」とか、「これからの時代、もてるにはどうすればいいですか?」とかいう、毒にも薬にもならない雑誌のインタビューなんかに答えてないで、小説を丁寧に作って欲しい。石田さんの小説が、かつて大好きだったからこその、私の愛ある願いです。
| あ行(石田衣良) | 05:24 | - | - |
● 反自殺クラブ 石田衣良
4163237704反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5
石田 衣良
文藝春秋 2005-03-10

by G-Tools

群れて死ぬより、ひとりで生きよう!
帯より

面白いとわかっている本を買って、それを横目に、せっせと図書館予約本の山を片付ける毎日。これを全部読み終わったら、あれが読めるんだ!と思いながら、別の本を読む。その山を全部読み終える頃には、次の予約本の山が来る。エンドレス。自分のものになってしまった本は、どうしても読むのが後回しになる。でも、本棚に、その本が未読で残っているのは幸せ。

とかなんとか言っているうちに、1年たってしまった、IWGP「反自殺クラブ」。IWGPシリーズは、時代を切り取る小説だから、あんまり本棚で熟成させると、良くないよね。賞味期限がくる前にと思って、買ってから1年もたってるのにあわてて読みました。やっぱり面白かった。ミーハーなのに、どこか生真面目、不思議なシリーズですね。

・スカウトマンズ・ブルース
・伝説の星
・死に至る玩具
・反自殺クラブ

どれもよかったんだけど、後半2つが私は印象的でした。日本の玩具メーカーの工場で、心臓が裂けて死ぬまで働かされた、中国人労働者の妹が、正義を求めて日本にやってきます。しかし大イベントを控えたメーカーが、彼女の訴えを相手にするはずもありません。協力する事になったマコトは、彼女の願いをどのようにかなえるのか?(死に至る玩具)

相次ぐ集団自殺事件には、その方法を教え、薬を流し、手引きをした黒幕「スパイダー」がいた。「スパイダー」を止めようとする「反自殺クラブ」は、親を自殺によって失った子供たちの会。彼らは、集団自殺を止めるために、マコトに協力を求めます。「スパイダー」の正体と、悲しい別れ、苦い結末。マコトが1番かっこよく見えた物語。(反自殺クラブ)
心はいつも外の世界で自己を実現しようとする。

| あ行(石田衣良) | 02:29 | - | - |
東京DOLL 石田衣良
4062130025東京DOLL
石田 衣良
講談社 2005-07-29

by G-Tools

マスター・オブ・ザ・ゲーム=MGと呼ばれる天才ゲームクリエイター。背中に濃紺の翼をもつ少女ヨリが彼の孤独を変えてゆく―。
帯より

石田さんは、好きな作家さんなので、この本の感想も書きます。でも、久々に出ちゃいます。

酷評注意!

ゲーム業界を浅く扱っただけでは、もう新鮮でもなんでもない。どちらかというと、感じるのはネタの古さです。株式操作による会社の買収なども絡んでくるのですが、それも浅くしか描かれないので、時流に乗ろうとしてみただけ、としか思えない。石田さん得意の「街」を描くという点でも、「東京湾岸」を、東京のオシャレスポット&お金持ちの住む街、としてしか描けていなくて、表面的なイメージに終始しています。

それに、主役のMGの「孤独」って、自業自得だと思うし、傍迷惑でさえある。あらゆる意味で優柔不断。仕事に対しても女性に対しても、決断力がなくて不誠実。全然、共感できないキャラクターでした。その上、彼の「孤独」の根本を描こうという努力がされていない上に、ヨリと出会って変わった、という風にも見えない。

ヨリに関しても、神秘的な雰囲気で登場したにもかかわらず、けっきょく単なる都合のいい女をやっていて、意味不明です。未来を予知できるという力がストーリーにあまり生かされていないのも不自然です。

あらゆる意味で、設定が甘すぎます。業界小説としても、恋愛小説としても、ポルノとしても中途半端。石田さんは何がしたかったのでしょう・・・。
| あ行(石田衣良) | 17:20 | - | - |
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