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■ 町長選挙 奥田英朗
町長選挙町長選挙
奥田 英朗

文藝春秋 2006-04

シリーズ3作目という事で、マンネリ化して面白く感じられないんじゃないかって、それが心配で。読むのを延ばし延ばしにしていましたが・・・全然心配いりませんでした。面白かった!それに、読むのが遅くなり過ぎなくてよかったです。時事ネタのパロディがわからなくなる前に、読むべき本でしたね。ギリギリセーフ。

なんとなく、前2作より、トンデモ精神科医伊良部先生の影が薄くなっているような気がしました。ただ慣れただけかもしれないけど。他のゲストキャラがたっているせいかもしれませんね。

△ オーナー
球界再編問題に絡む、大新聞社の会長「ナベマン」が、生涯現役でいたいと願うあまり、死への恐怖から、パニック障害に陥ります。きっと内側を見られるものならば、このパロディより現実のほうが何倍も見ごたえがあるんだろうな。でも、小説は読後感が爽やかで良かったです。

△ アンポンマン
時代の寵児、ライブファスト社長「アンポンマン」が、若年性アルツハイマーと診断され、まゆみちゃんの注射にジタバタし、幼稚園生と一緒にひらがなの練習をします。現実の「アンポンマン」に、この小説の「アンポンマン」程度でいいから、可愛げがあれば・・・。ニュースももう少し見やすくなるのに。

△ カリスマ稼業
四十台のカリスマ女優「白木カオル」の物語。こりゃあ、女性にとっては、かなり辛らつな短編ですね。でも、ラストの、看護婦・まゆみちゃんの歌の歌詞には同感です。年をとるのは仕方ない事なんだから、素直に受け入れたいものです。

でも、単なる若作りのオバサンと、プロの女優意識がさせる美への努力は、一緒にして欲しくなかったような・・・。

○ 町長選挙
離島に短期赴任することになった伊良部先生が大活躍!この本では、唯一、伊良部先生らしい伊良部先生を見られて大満足。登場人物も、有名人のパロディではなくて、現実に生きている市井の人々のパロディで、この作品だけは、きちんとした小説として読むに耐えました。とても面白かったです。

有名人のパロディが悪いってことは全然ないんです。でも、作品が軽く見える。薄く見える。すぐに古くなる。私はあまり好きではありません。
| あ行(奥田英朗) | 01:12 | - | - |
■ ガール 奥田英朗
photo
ガール
奥田 英朗
講談社 2006-01-21

by G-Tools , 2006/04/29





30代の働く女性の心境を描いた短編集。作者が男性なのに、女性に対する夢も理想も妄想も入ってなくて、感じが良かったです。女性の本音をちゃんと描いてくれていて、登場人物の「心の中の声」には何度も共感してしまいました。著者が女性に向ける視線が、温かくて、優しくて、感じのいい本でした。

それに、作者が男性であるせいか、このテーマでは“やりすぎ”になりがちなドロドロ感がなくて、爽やかでした。まあ、ドロドロ感を捨てて爽やかにした分、リアルなストーリーにはなってないとは思います。すべての短編が、それなりにハッピーエンドですからね・・・。世の中こんなに甘くないぞ!という感じです。それに、現実の女性は、こんなにプライベートな狭い世界の事ばかり考えているわけじゃないよね。仕事の事だって、世界の事だって、それなりに考えているんだぞ!

でもまあ、女性による同じテーマのリアルなドロドロ本は、供給過剰ってほどたくさん出版されているので、このリアルじゃなさが貴重な気がします。この本のような爽快で、痛快で、元気が出る、癒し系の物語も、たまには欲しいなあ、と、思います。めったに本を読まない女友達にも、オススメしたくなる1冊。

○ ヒロくん

課長職につくことになった聖子の悩み。部下の1人である、年上の男性社員が彼女に反抗します。理由は単に、「女の指示なんて聞けるか」という事。「女房とホステスと部下しか女を知らない男」って、いるよなあ。うんうん。はいて捨てるほどいる。あいつと、あいつと、あいつ、本当に捨てたい(笑)。

自分より下の立場の女としか、っていうか自分を上にたててくれるような女としか、コミュニケーションがとれない。この1点だけをとっても、社会人としても人間としても、致命的な欠陥だと思うんですけど、本人にも社会にも、それが間違っているという認識はないんだよね。むしろ、たててやらない女が生意気である、というのが「社会の常識」。まことに腹だたしいです。

こういう男は、えてして、上下関係にとても執着があるようで、相手が男であっても、序列をつけたがりますよね。同期とは競争心をむき出しにする。上司にはへつらい、部下には威張る。対等な人間関係を結ぶって事を知らないんでしょうね。定年後に、自分に友達がいないことに気がつくタイプ。ああ、かわいそう!

○ マンション

マンションを買おう、と考え始めたことで、今まで見えなかった様々な事に気がつく、ゆかりの物語。ゆかりのファースト・プライオリティーには、ものすごく共感できました。でも、社会でこれを貫くのは本当に難しいよね!それでも、ほかの生き方はできないゆかりは、ものすごくかっこいいけど、ちょっと不器用で、可愛らしい女性だと思います。この本で、1番好きだった主人公です。

□ ガール

男性はずっとスーツを着ていればいいけれど、女性は選ぶ楽しみがある分、職場での服装が難しい。TPOと自分に似合うかどうかということ、それをおさえるだけだって大変なのに。流行に乗りすぎても、遅れても顰蹙をかう。年齢によっては着られない服、というのは暗黙のルールとしてあったりする。書店に行くと、20代向けのファッション誌は、25歳、27歳、28歳、30歳、などなど、実に細かく細分化されていてびっくりします。

こんな格好したいけど、年を考えると痛いかな・・・と、考えちゃうことよくあります。何年か前には確かに似合ったはずの服が、いつの間にか似合わなくなった、なんて経験は、女性なら誰でもあるのではないでしょうか。ファッションにはあまり興味がなく、その方面では「ガール」であったことのない私でも、この物語にはかなり共感できたので、きっとたくさんの女性の共感を呼ぶ作品だろうな、と思いました。

△ ワーキング・マザー

えーと。ワーキング・マザーに対して、会社ってこんなに優しいんでしょうか?伝家の宝刀になるの?孝子、職場に恵まれすぎ!と、思うのは私だけ?

△ ひと回り

12歳年下のかっこいい後輩の指導係を命じられた容子の物語。この話は、ちょっと面白おかしく描きすぎたかなあ、って感じ。いくらなんでも、ここまで妄想する女性はめったにいないんじゃないかな・・・。いたら、あまりに、痛いよ。
| あ行(奥田英朗) | 11:25 | - | - |
■ 東京物語 奥田英朗 
408747738X東京物語
奥田 英朗
集英社 2004-09

by G-Tools

1970年代後半から80年代の東京を舞台にした、いわゆる青春グラフィティ。高校卒業後、名古屋から上京してきた田村久雄の、30歳になるまでを描いた、連作短編集です。

どの短編も、久雄のとある一日を切り取るという手法で描かれており、つまり、6編で6日間分しか物語はないのですが、見事に、久雄の11年間を描けているのがすごいと思います。当時を知る人なら誰もが懐かしく感じるようなエピソードが、ある時は大きな音で、ある時は小さな音で鳴り、時の流れを感じる事ができます。久雄も11年分しっかり成長して、一人前の大人になります。

どの短編も印象深くて、どの短編も良かったです。

特に好きだったのは、広告代理店の新人として、めまぐるしく働く久雄を描いた「あの日、聞いた歌」。それから、出来の悪い部下にいらだつ久雄が、ちょっと初心を取り戻す「名古屋オリンピック」。独立して事務所を持った久雄が、友人の結婚祝いに行きたいのに、クライアントに振り回れる「バチェラー・パーティー」。

でも、大学時代の甘酸っぱい思い出を描いた「レモン」や、むりやりさせられた見合いの相手に振り回される「彼女のハイヒール」もよかったです。ああ、私は仕事関係の話のほうが好きだったみたいですねー。今、感想を書きながら気がつきました。あ!それに、この本はちゃんと、主に仕事を描いたものが3編、主にプライベートを描いたものが3編っていうバランスになってるんですね。ふむ。

同じ時代に青春を過ごした人たちには、たまらない作品だろうと思います。わたしは、ちょっとはずれてしまいましたが、もちろんそれでも楽しめました。読後感の爽やかな小説でした。

ベビーブームに生まれた人がうらやましい。同世代に生きた人がたくさんいるっていうのはいいなあ。と、思います。この時代を舞台に、自伝的小説を書く作家さんって多いですよねー。たくさんの読者の、特別な共感を得られる母体があるっていうのは、恵まれていると思います。すばらしい!

私が生まれたのは、第二次ベビーブームが終わったあと。色んな「ブーム」の穴場世代です。もうちょっと早く生まれれば、女子大生ブームや、OLブームがありました。私たちは、そのころはまだ子供で、バブル期を謳歌する大人たちを下から見ていました。もうちょっと遅く生まれれば、女子高生ブームがありました。そのころには、私たちは大人になっていて、就職氷河期を経験したり、不景気の真っ只中で新入社員をやったりしていたんです。同級生たちと、運の悪い年に生まれたよね、と、話し合ったのを思い出しました。これはこれで「私の青春の思い出」ですね・・・。
| あ行(奥田英朗) | 23:51 | - | - |
● サウスバウンド 奥田英朗 
4048736116サウス・バウンド
奥田 英朗
角川書店 2005-06-30

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主人公は、東京中野の小学生・二郎君。二郎君自身は、マンガの好きな、いたって普通の少年なのですが、両親が元過激派で、かなり変わっています。特に、父親はすごいです。公務員は国家の手先とばかり、誰彼かまわず食ってかかり、税金も年金も断固として払わず、とうとう「国民をやめる!」などと言い出すしまつ。しかも、いつか作家になると言いつつ、無職でずっと家にいる。

充実した小学生ライフを送っている二郎君ですが、そんな父親のせいで、周りから次第に浮いていきます。当然、二郎君は父親の考えについていけず、反発心をいだくばかりです。そして一家は、波乱万丈の展開のはてに、とうとうすべてを捨てて沖縄へ移住する事になります。

ここまでが、第一部です。「波乱万丈」の中身がとっても面白いので、ここには書きません。舞台は中野なんですが、なんとなく、昔の下町っぽい雰囲気があります。子供たちがどことなく素朴で、地域に密着した感じが、懐かしさを出しています。第一部単独でも、いい本です。最後に二郎君の下す決断が、感動できると思います。

さて、第二部・沖縄編ですが。意外なことに、あのとんでもない父親が、この土地ではしっくりなじむんです。もちろん、住民登録をせずに勝手に住み着き、学校には行かせない、公営住宅には引っ越さない、と、国家に対する反抗は健在です。相変わらずの破天荒ぶりで、周囲を驚かせます。でも、中野にいたときほど、とんでもなく傍迷惑で、どうしようもないやつには見えなくなってきます。不思議ですね。周囲の人に、心のゆとりがあるからでしょうか。

ここで一家は、リゾートホテルの建設問題に巻き込まれる事になります。国家や資本家には敵意むき出しの父親ですが、だからと言って、市民運動家たちとつるんだりはしないんですよね。父親の、一本筋が通っている部分が、少しずつ見えてきて、なかなか爽快です。
この期に及んで金の心配か。運転手の体でも案じてやったらどうだ。
のシーンには、本当にすっきりしました。

二郎君も、父親の行動の理由や、家族に対する愛情や、母親が父親に対して持っている愛情を、少しずつ理解できるようになってきます。小説の中で家族の迎えるラストは、想像を絶していて、びっくりしてしまいました。ありえねーっつーの!って感じです。素敵でしたけど。

長い本ですから紹介しきれませんが、たくさんの個性的なキャラクターが出てきて、その一人一人がきっちり描かれています。私が印象に残ったのは、南先生と、ベニーさんです。それからエピソードも一つ一つ面白いです。いい本でした。オススメです。
| あ行(奥田英朗) | 16:47 | - | - |
● 空中ブランコ 奥田英朗 
4163228705空中ブランコ
奥田 英朗
文藝春秋 2004-04-24

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図書館から予約本が届いて、あら〜まだ読んでなかったのねー、読んだとばっかり思ってたわ…という本。遅ればせながら読了。

さすが直木賞。面白かった。映画化するんだよね?したんだっけ?見よう。

一番楽しく読んだのは、「義父のヅラ」。やりのこした悪戯をやろうと、いい年をしたおじさん2人がくっだらないいたずらで世間を騒がせる場面が楽しくて。まあ軽犯罪だとは思うけどね。読後感もよくて好きでした。

印象的だったのは、「女流作家」。どんな職業についていても、「無念」ってあるよね。切ないよね。

「イン・ザ・プール」では驚いた、伊良部先生とマユミさんの変態振りにはすっかり慣れてしまったようで、インパクトは薄かったです。それに、「イン・ザ・プール」よりさらにみんな同じお話では?感がありました。生え抜きでファーストの地位にいるサーカス団員、出世頭のやくざ、子供の頃からエリート街道を走ってきたプロ野球選手、教授の娘と結婚した医師、流行女流作家。その世界では有名な、挫折を知らない人という同じキャラクターの患者が、あるきっかけで精神に問題を抱え、伊良部先生には尊敬されることもなく、それが次第に快感になり、結局彼と遊んでいるうちになおっていく。それでも「イン・ザ・プール」のほうが、患者にバリエーションがあったような気がします。このシリーズでこのパターンは、この2冊で限界かな?
| あ行(奥田英朗) | 06:48 | - | - |
● 最悪 奥田英朗
4062092980最悪
奥田 英朗
講談社 1999-02

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小さな鉄鋼所の社長・川口は、長引く不況にあえいでいた。下請けの下請けという立場は、どんなに無理な仕事でも断る事はできない。後から引っ越してきた近隣のマンションの住人は、残業を騒音公害だといって騒ぐ。

銀行員のみどりは、社内での上司のセクハラに悩んでいた。味方になってくれそうだった人たちは、その上司にかつて派閥抗争で負けた人たちで、みどりを利用しようとしているだけ。彼らにセクハラの事実を知られた事で、みどりは更なる窮地に追い込まれていく

パチンコとかつあげで生計をたてる和也。トルエンをめぐるちょっとした誤解が元で、やくざに弱みを握られる。

追い詰められた3人が、出会ったとき、転落は加速を増していく・・・

3人の物語を平行して描いていく前半、川口の物語はとても読み応えがあった。リアリティもあったし、近隣住人のやとった弁護士とのやりとりも、そらおそろしい感じがした。川口が追い詰められていくのはよくわかる。とても哀しい。みどりも、まあまあ、同情できる。よくある不幸だとは思うけど、不幸には違いない。問題は和也だ。和也と和也をめぐる人々の物語は、ページ数をさかれているにもかかわらず、ろくに描きこまれていない感じがする。もうちょっと平等に描けていると、後半がもっと魅力的に感じられたと思う。

それにしても、タイトルどおり「最悪」な本。救われない本だなあ・・・。私は「邪魔」のほうが好きだな。というより、これから読む人は、奥田さんの本は、出版順に読んだほうがいいような気がします。この人は、目に見えて成長していく作家さんみたいだし、時代のニーズに答えている人でもあるようなので。
| あ行(奥田英朗) | 11:03 | - | - |
● 邪魔 奥田英朗 
4062097966邪魔
奥田 英朗
講談社 2001-04

by G-Tools

渡辺裕輔、いわゆる不良の高校生。仲間の弘樹・洋平と共に、夜の街で遊び暮らす毎日。ある日3人が親父狩りのターゲットに選んだ男は刑事の九野だった。3人は、九野に逆襲され、怪我を負う。

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。平凡だが幸福な生活をおくる、引っ込み思案で、おとなしい主婦。しかしパート先の、雇用条件をめぐる闘争に巻き込まれ、次第に変貌していく。そして、夫の勤務先では放火事件がおき、恭子は夫を疑い始めて・・・。

九野薫、36歳、刑事。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠症で精神安定剤を常備。同僚・花村には、素行調査を担当した事から逆恨みされている。小さな放火事件を執拗に追い、恭子の夫・及川に疑いを持つ。

上の三人の視点でつむがれる犯罪小説です。事件自体は小さな放火事件ですし、犯人はかなり早い段階で明らかなのですが、そこに警察組織内部の暗黙の了解や、一人の男としての警察官たちの事情、警察と企業や暴力団との癒着、共産党系の市民運動団体など、さまざまな思惑がからまって、複雑で奥の深い物語に仕上がっています。

登場人物がとにかく多いし、視点が変わるので、最初のうちはちょっと読むのに苦労しました。でも、いったん物語に引き込まれてしまうと、どんどん読み進む事ができました。終盤の展開は本当に目をはなせない、という感じです。恭子が追い詰められていく様子は、あまりにリアルで鳥肌が立ちます。九野もやはり追い詰められているのですが、彼はかっこいいですねー(個人的好みですが(笑)。裕輔と仲間たちの、しょうもなさも、リアルです。

平凡な日常が足元から崩れていく恐怖。人間の本性がむき出しになる瞬間。人を狂わせる深い孤独。そういうものが確かな筆致で描かれていて、読み応えがありました。

このミスで2位になってるんですよねー(ちなみにその年の1位は宮部みゆきさんの「模倣犯」)。わたしはなんで今まで読まなかったんだろう?不思議。今回この本を手に取ったのは、「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」で奥田英朗作品を読んで面白かったからなのですが、こういうリアルに重い犯罪小説を書かれる方なんですね。全然雰囲気が違うので驚きましたが、この本も、とてもよかったです。
| あ行(奥田英朗) | 20:28 | - | - |
● イン・ザ・プール 奥田英朗
416320900Xイン・ザ・プール
奥田 英朗
文芸春秋 2002-05

by G-Tools

私の初奥田英朗作品。笑えました。精神病の患者と、時に患者よりもへんてこな精神科医・伊良部が織り成すコメエディ・タッチの短編集。伊良部の治療とは思えない治療に付き合っているうちに、少しづつ患者が癒されていきます。実際にはありえない話なんですが、面白かったなあ。「社会派」的な匂いもチクッとあって、とても満足しました。

・いてもたっても
これが一番好きでした。ラストがこの作品だったからこその、読後感の良さだったのかも。
「えー、カウンセリング?無駄だって。そういうの」「生い立ちがどうだとか、性格がどうだとか、そういうやつでしょ。生い立ちも性格も直らないんだから、聞いてもしょうがないじゃん」
このセリフに拍手!話しただけで直るくらいなら、医者なんていらないよ。友達に話せばいいじゃん!友達にも言えない事なら、お坊さんにでも神父さんにでも、街の手相を見てくれる人にでも告白したらいいんだよ。医者と違って、ただだよ。

(いや、べつに、私はカウンセリングが必要な人もいるんだろう、と思ってはいますよ…。ただ、精神疾患のすべてにカウンセリングが有効なはずないと思ってるの。薬と同じで、合わない人には毒になるし、副作用だってあるはずだと思う!)

・フレンズ
この作品に出てくる、携帯中毒症には、いろいろ考えさせられました。こういう人多いんだろうね。親が心配して病院に行かせた、というところが特殊なだけで。最近の若い人たちには、かなりの割合でこのタイプがいると思う。さびしい話ですね。

私は、しょっちゅう携帯を忘れて出歩いたり、電源を切りっぱなしにしては「つながらない!」と怒られるタイプなんで、主人公とは正反対で、性格も人との付き合い方もやっぱり正反対なんですが。それはそれでどうかな〜って事も思いました。もうちょっと広く浅くの付き合いも大事にしようかな、なんて。携帯中毒症にならない程度にね。
| あ行(奥田英朗) | 12:06 | - | - |
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