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▲ 仏果を得ず 三浦しをん
仏果を得ず仏果を得ず
三浦 しをん

双葉社 2007-11
直木賞作家が描く、伝統芸能の世界。主人公は太夫を語る大夫・健。人間国宝の師匠や変わり者の三味線弾きに鍛えられながら芸を磨く。芸に恋に悩みながら健は成長していく。傑作青春小説。
文楽、という、自分にはまったく馴染みのない世界が読みやすく描かれていたので、それだけで楽しめました。脇を固める様々な年齢の女性のたちが、すごく魅力的であることも印象的でした。実際に文楽を見てみたい!という気にもちらっとなりましたが、あくまでもちらっとであって、きっと足を運ぶことはないんじゃないかと思うので…NHKさんあたりが連ドラ化してくれたらいいと思います。

ただ、評価には迷います。なんだか中途半端で、描ききれていない気がするんです。特に、太夫と三味線の間の関係を、小説の中で定義しきれていない感じがして、消化不足という気がしました。男だけの熱い世界や、男同士の信頼関係を描くのが、三浦さんの趣味なのでしょうけれど…という先入観が私にあったのがいけなかったんだと思います…。あくまでも私見です。すみません。

「あやつられ文楽鑑賞」も読まなくちゃ。
| ま行(三浦しをん) | 21:41 | - | - |
■ 乙女なげやり 三浦しをん
乙女なげやり乙女なげやり
三浦 しをん

太田出版 2004-06
含み笑いをこらえきれない、脱力の日常痛快エッセイ。この乙女心に、共感せずにはいられない!

ひとはいつまで乙女を自称しても許されるものなのか。そんな疑問を胸に抱きつつも、「なげやり」にふさわしいのは、やっぱり乙女。熱愛する漫画の世界に耽溺し、ツボをはずさぬ映画を観ては、気の合う友と妄想世界を語り合う。気の合わない母との確執も弟とのバトルも、日常の愉楽。どんな悩みも爽快に忘れられる「人生相談」も収録して、威勢よく脱力できる、痛快ヘタレ日常エッセイ。
三浦さんのエッセイは面白いよね。私がエッセイを再読するなんて、めったにないことだもの。
| ま行(三浦しをん) | 21:37 | - | - |
■ きみはポラリス 三浦しをん
きみはポラリスきみはポラリス
三浦 しをん

新潮社 2007-05
11編の作品が集められた、恋愛短編集。どれも、一風変わったというか、一筋縄ではいかない恋を描いていて、普段は恋愛小説を好まない私でも、興味深く読むことができた一冊でした。どの作品も濃くて、どれも新鮮な気持ちで読めて、まさに粒ぞろい。恋の形は、カップルの形だけ、っていうか人の数だけあるのでしょうね。

特に印象的だった作品

□ 裏切らないこと
○ 私たちがしたこと
□ 骨片
□ 森を歩く
○ 優雅な生活

ただ、この短編集の最初と最後とに配置されている、幼馴染の同性に叶わない恋をし続ける男性の物語が、私にとっては、ちょっと邪魔でした。この本はあくまでも、一般文芸の範囲に入る本だと思うんです。でも、この2編は、ソフトBLにしか見えないんです。

BLの世界の恋人たちは、読者の妄想の世界にいます。BLというのは、現実にはありえないと読者が思っているからこそ楽しめる、だからこそ支持される、そういう世界なのだと思います。一般文芸の世界にも、ゲイの恋人たちはたくさん登場しますが、彼らはBLの世界の住人ではありません。同じくフィクションではありますが、より現実に近い世界の住人です。

私の中には、その区切りが、はっきりとあるようで、違和感がぬぐい切れず、あくまでも個人的にですが、この本のマイナスポイントとなってしまいました。まあ、それが三浦しをんさんという作家さんの個性で、そこが好きというファンが多いんだろうなってことは理解できるんですけどねー。

しかし、それ以外の作品は、全部読み応えがあり、インパクトもあり、いい本でした。
| ま行(三浦しをん) | 12:05 | - | - |
■ 三四郎はそれから門を出た 三浦しをん
三四郎はそれから門を出た三四郎はそれから門を出た
三浦 しをん

ポプラ社 2006-07
「趣味は読書」と、てらいなく履歴書に記入できる人々がうらやましくてならない。いや率直に言って、うらやましさが高じて憎しみすら覚える。

「私、けっこう本読むんだー。『冷静と情熱のあいだ』はすっごくよかったよ」なんて言う、おまえらなんてみんな死ね。合コン中の男女を横目に、居酒屋で一人、苦々しい思いでビールを飲んだ事が何度あっただろう。私にとっちゃあ、読書はもはや「趣味」なんて次元で語れるもんじゃないんだ。持てる時間と金の大半注ぎ込んで挑む、「おまえ(本)と俺との愛の真剣一本勝負」なんだよ!
ことほどさように本を愛する、三浦しをんさんの、読書エッセイ集。しをんさんのエッセイは、どれも爆笑ものの面白さだけど、私はいまのところこれが1番好き。いやー、笑った笑った!本好きとしては共感しまくりだったし、読んでみたい本が大量に増えてしまいました。

それにしても、これだけ幅の広い読書をしていて、それら以外にも、愛するホモ小説とホモマンガを大量に摂取しているはずで、しをんさんの読書量には驚き!。これだけ読んでいたら、そりゃあ、ベストセラーにまでは手が回らないだろう、と、納得。

だからこの本は、しをんさんほどではないにせよ本が好きで、実際に本を読んでいる人が楽しめるタイプの読書エッセイでしょうね。普段はあまり読まないけれど、たまには本でも読んでみようか、何を読んだら面白いかな、なんて考えている人の本選びには、あまり役立たないと思います。そういう人は、ファッション雑誌・カルチャー雑誌などのブックコーナーを参考にするのが1番良いのでしょう。ああいう紙面では、最大多数の最大幸福、ベンサムの功利主義が見事に実践されているので、はずれる確率は少ないでしょうから。
| ま行(三浦しをん) | 00:33 | - | - |
★ 風が強く吹いている 三浦しをん
風が強く吹いている風が強く吹いている
三浦 しをん

新潮社 2006-09-21

面白かった!面白かった!面白かった!感動した!以上!と、やたら“!”マークが出てしまう1冊。三浦しをんファンではない人にも、性別や年齢を問わず、オススメできる小説。

駅伝というチョイスは珍しいけれど、基本的には、爽やか青春スポ根マンガ(小説)の王道ストーリーです。王道中の王道。精神的には未熟な天才が1人いて、努力家で頭脳派の2番手がいて、その他大勢は彼らのカリスマ性に魅了され、必死でついていくのよね。その中にはなぜか必ず、双子か三つ子がいるの。応援してくれるマネージャー的存在の美少女も欠かせないわね。それから、ライバルチームには親父くさい貫禄ある王者と、挑戦的でむかつく新人がいて、事あるごとにぶつかるの。そして最後は、現実にはありえないほどの高みに短期間でのぼりつめて、感動!ああ、王道って素晴らしい。「キャプテン翼」も「オフサイド」も「山下たろーくん」も「タッチ」も「スラムダンク」も大好きだ!(あ・・・年がばれる(笑)

とはいっても、この本の舞台、寛政大学陸上部と、実はその寮である竹青荘には、いわゆる“スポ根”はありません。

走(かける)は、高校時代にすばらしい成績を残しながらも、従来の“スポ根”チックな、管理主義的で上下関係にうるさい陸上部で、性格と精神的な未熟さからトラブルをおこし、陸上をやめました。それでも走ることをやめることはできず、1人でトレーニングを続けています。そんな彼が、まともな陸上部もない寛政大学に入学することになって出会ったのが、膝の故障で1度は陸上をやめた、四年生のハイジです。ハイジもまた、“スポ根”の被害者ですが、走ることへの情熱を失うことなく、用意周到にチャンスが来るのを待ち続けていました。2人の運命的な出会いから、オンボロアパート竹青荘に住む10人の大学生が、箱根駅伝を目指して、熱い1年をおくる事になります。

素質はあるものの素人の8人を、各人のペースと性格に合わせて我慢強く指導(操縦?)し、1人前のランナーに育てあげる、ハイジの手腕が見事で、見事すぎて笑えます。箱根駅伝を目指す練習と酒盛りの日々を描いた前半は、およそ現実的ではないのですが、本当に面白かったです。個性豊かな面々の、気の抜けた会話は随所で笑えるし、時に不平不満をぶつけ合いながらも、目標に向けて1つになっていく様子は、まさに青春!

最初は嫌々練習を始めた面々も、一緒に走るうちに協力的になり、ハイジ1人にまかせきりにしていた炊事を当番制にしたり、広報担当を買って出たり、資金繰りに協力したりと、本気で箱根を目指すようになります。応援してくれるようになった地元商店街の皆さんや、八百屋の葉菜ちゃんとの交流も、素朴で素敵です。

選手1人1人の思いを、きちんと描いた後半も最高!駅伝という競技だからこそ、本番のレースを描きながら、全員の心情をきっちり描写する事が自然にできていて、しかもその部分が10人分感動的で、10人とも最高でした。

しをんさん、「きた・・・きた・・・きたぞ〜!とうとう来た!」という感じがします。今まで読んだしをんさんの小説の中には面白いものもあったし、腕があるのは知ってたし、エッセイは大好きだし、押しも押されもせぬ直木賞作家だし・・・いまさらではあるんですけど。最初に読んだしをんさんの小説が体質に合わなかったせいもあって、わたしの中ではいまだにしをんさんは、「いつかわたし好みの大傑作を書いてくれるだろうと信じて待ってる作家さん」っていう位置付けだったんです。その「大傑作」が、とうとう、きた!って感じ。わたしの中でビシッと決まった!って感じ。とるならこの小説で、直木賞をとってほしかった。

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| ま行(三浦しをん) | 23:52 | - | - |
▲ 秘密の花園 三浦しをん
秘密の花園秘密の花園
三浦 しをん

マガジンハウス 2002-03

幼稚舎から高校まで揃った、カトリック系の女子校に通う3人の17歳の、3つの物語。しをんさん自身があとがきで書いておられるように、小説版「櫻の園」吉田秋生 でした。(もちろん雰囲気だけです。完全にオリジナルの短編集です。)

☆ 洪水のあとに
母親を亡くしたばかりの那由多は、幼い頃受けた性的イタズラの記憶に、今も苦しんでいます。この那由多の章だけを単独で切り取って読んだら、純文学として、それなりに高評価をつけたと思います。文章が芸術的だし、構成も上手い。この本全体に散らばった、那由多の考えている「ノアの方舟」のエピソードを含めればそれでOKです。

残り2つの章がくっついたことで、この本に物語の展開と言うものが加わって、面白くはなったと思います。でも、文学ではなく、エンタメ本になっちゃったなあ。わたしは、純文学より、エンタメ本のほうがずっと好きですが、この本の場合は、それがなんだか惜しい気がします。

△ 地下を照らす光
幼稚舎からこの学園にいる、お金持ちの娘、淑子は、教師と恋愛関係にあります。この章では、那由多や翠が語らない、女子校という社会の中の特殊な人間関係のルールや、客観的に見た那由多と翠の姿が描かれています。そしてこの本の「あらすじ」が展開を始めます。淑子は基本的には「普通」の子で、しかも今は、必死で恋をしている所でそれだけなので、彼女の内面を描いたと言うよりは、この小説世界の説明という意味合いが強い章でした。

□ 廃園の花守りは唄う
中等部から入ってきた翠は、超然とした近づきがたい雰囲気で、那由多以外の友だちはいません。翠の章は、淑子によって語られた客観的に見た彼女の姿と、彼女の内面のギャップが浮き彫りになって、読み応えがあり、淑子の章よりはずっとましでした。でも、淑子の章でせっかく展開させた物語を、きちんと終らせてくれなかったので、不満が残ってしまいました。

わたしは小学校から高校までずっと公立・共学で、この3人よりだいぶ大雑把な性格に育ってしまったのでわからないのですが、こういう学校で育った人にとっては、この本はリアルなのかなあ?・・・たぶん違うよね。違うんじゃないかな、と、思います。

だって、主役の3人はもちろんですが、登場人物がみんな、笑っちゃうほど類型的ですから。会話や、細かいエピソードも、全然リアルじゃない。だからといって、女子校の、秘密の花園的雰囲気を演出しようとしているわけでもないようだし・・・。あくまでもそれぞれの心情描写がメインなので、そういう演出に限界があったのかもしれませんね。

というわけで、これはこれで悪くはないんだけど、なんとなく惜しい気がする1冊でした。
| ま行(三浦しをん) | 22:57 | - | - |
● まほろ駅前多田便利軒 三浦しをん
まほろ駅前多田便利軒まほろ駅前多田便利軒
三浦 しをん

文藝春秋 2006-03

だいぶ前(とはいえ、直木賞受賞決定後ですが)に読んで、感想も書いたのに、UPするのを忘れていました。古い文章になりましたがそのままあげちゃいます。季節ものは、季節ものである時の感想と、ブームが去った後、1人で勝手に読んだときの感想が、大きく変わることがあるので、その変化も、読書日記の楽しみの一つですよね。

この本は、まあ、あちこちで言われているように、官能的なシーンのない同性愛文学の流れをくんでいるところが魅力でしたね。ぶっちゃければ、セックスのないBLですね。

天然というかワイルドというか、どこか思考回路がぶっ壊れている変人、行天。普段は無口で無害で飄々としているけれど、実は観察力も洞察力もあり、頭はいいし、ケンカは強いし、度胸もある。

そんな彼に転がり込まれる、クールに見えるけれど実はお人よしの便利屋、多田。彼は高校時代に行天に怪我をさせてしまったという後悔を背負っていて、破天荒な行動ばかりする行天に、振り回され続ける。

それぞれに魅力的な男性二人が、便利屋として共同生活をしながら、様々な人間模様を見つめ、お互いの過去を知り、徐々に距離を近づけていく。

ってもう、BLのあらすじそのまんまじゃん!ねえ?

BLのお約束をすべて満たしていて、でもBLが苦手な人でも楽しめそうで、女子的には満点の本です。私はBLはほとんど読みませんが、女子の一員として、その魅力はわかるんです。だから、この本のそういう魅力もわかります。

でも男性にとって、それから、女性でもBLの魅力がまったくわからない、その価値観も、お約束も知らない、そういう人にとって、この本はどれくらい面白いのかなあ?

BLうんぬんをいっさい抜かして、この本の感想を書くとすれば、テーマは「親子」あるいは「家族」である、というところが切り口になるんだろうなあと思います。

行天と多田の再会を描いた最初の章では、多田は依頼人から、飼えなくなったチワワを押し付けられて、もてあましています。この件を解決するにあたり、2人は、依頼人である親ではなく、実際にチワワを可愛がっていた小学生の娘に意見を聞こうとします。このあたりのエピソードから、もうすでに「親は親、子供は子供」という2人の多少やさぐれたこだわりが感じられるような気がします。

多田が塾の送り迎えを依頼された少年は、「フランダースの犬」のどこが好きか、と尋ねられると、「ネロに親がいないところ」と、答えます。そんな彼に、多田は、「いくら期待しても、おまえの親が、おまえの望む形で愛してくれることはないだろう。・・・だけど、まだ誰かを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、おまえは新しく誰かに与えることが出来るんだ」と言います。

後半は、前半の軽快なテンポの楽しいストーリーとは打って変わって、苦悩する多田の湿っぽい過去が物語の中心になります。依頼人は、赤ちゃん取り違え事件の被害者で、その仕事をしながら多田は、亡くなった自分の子供と、別れた妻との、失った家族について考えています。かなり重いです。

軽いノリで始めておいて、後半で暗い過去とか出てきちゃって、それにより主人公の2人が絆を深めちゃったりするのは、BLのお約束ですが、普通に読んだら、まとまりのない本だなあという感想になります。大の男2人が、進歩のない共同生活を続けていきそうなラストは、BL的には素敵ですが、「親子」とか「家族」をテーマにした1冊の小説としては、踏み込みが浅いと思います。多田のセリフはどれも単なる正論で底が浅いし、行天は本当に魅力的なキャラクターでしたが、やっぱり彼の描き方もマンガ的で浅い。

面白かったんです。とっても。直木賞なんて受賞していなければ、私は一言もケチをつけないで、この本を絶賛したと思います。でも、この本が、直木賞をとったとなると、それはやっぱり納得できないよねー、と、みんなが言っている事を、私も言ってしまいます。だって・・・この作品、「砂漠」を超えていましたか?(って、「終末のフール」派の私すら、そう思うんですよ・・・。)。直木賞が作品ではなく、作家に与えられるものだとしても、あの伊坂さんをおさえて受賞するほど、文壇で三浦さんが認められているとは知らなかった。よよよ。

でも、大好きな三浦さんには文学系腐女子の代表として、ぜひこのわかりやすい路線を突っ走ってほしいし(実は、三浦さんの小説には、私には難しすぎるものもあったりします(^_^;))、この本の続編も、映像化も、期待しています。
| ま行(三浦しをん) | 09:01 | - | - |
● 桃色トワイライト 三浦しをん
桃色トワイライト桃色トワイライト
三浦 しをん

太田出版 2005-08-06

いやー、面白かった。すみからすみまで笑った。どのネタも、うんうん、わかる!という感じでした。

押しも押されもせぬ直木賞作家になってしまいましたが、このまま変わらず、腐女子の代表として、私たちの前を突き進んでほしいものです。(私のほうが年上ですけど・・・)。

これは別に直木賞だから再読、とかではなく、タイムリーに直木賞発表日の前から手元にありました。図書館の返却期限が来たのであわてて読みました。

直木賞受賞には、素直におめでとう!と言える気持ちです。いつかはとるはずの作家さんですもんね。でもやっぱり、誰にも何も言われない、早いんじゃとか、出版社の力じゃ、とか思われない、気持ちのいいとり方をして欲しかったなあ、とは思います。実力をガツンと見せつけるような形でね。

とりあえずこの本では、エッセイの実力はガツンと見せてもらいました。あー楽しかった♪
| ま行(三浦しをん) | 22:15 | - | - |
■ 夢のような幸福 三浦しをん
photo
夢のような幸福
三浦 しをん
大和書房 2003-12

by G-Tools , 2006/05/06




実は、しをんさんのエッセイを単行本で読むのは初めて。
面白かったです。かなり笑えました。
1番ツボだったのは、「嵐が丘」に関するしをんさん流解釈。
「ガラスの仮面」がらみのネタも、一通りツボでした。
| ま行(三浦しをん) | 20:30 | - | - |
▲ 月魚 三浦しをん 
4048732889月魚
三浦 しをん
角川書店 2001-05

by G-Tools

古書店「無窮堂」の若き当主・真志喜と、その友人で真志喜の祖父に目をかけられ、真志喜とは兄弟同然に育った瀬名垣。幼い2人は兄弟のように育ったが・・・。

「古書」という、経験が物を言う世界に生きる、若い2人の友情物語。という設定は、かなりツボだったんですが・・・。えーと、そのあと、なんだか色んな事が、わからないまま終わってしまったような・・・。

登場人物は少ないのに、主役の2人のキャラがかぶっていて、わざとなのか、書き分けが出来ていないのかわからないけど、物語がつかみにくかった。しをんさんがBLを好きなのは知っているけど、このストーリーはBLじゃないのに、BLの雰囲気だけ出して、いったい何をしたいのかわからなかった。

全体的に、背伸びをしている印象でした。格調高い「純文学」になりたいんだけど、届かないよう・・・って感じがしました。
| ま行(三浦しをん) | 00:52 | - | - |
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