2013.08.16 Friday
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GOTH 夜の章 (角川文庫) 乙一 角川書店 2005-06-25 |
GOTH 僕の章 (角川文庫) 乙一 角川書店 2005-06-25 |
主人公の「僕」は悲惨でやるせない凶悪な事件、とりわけ凄惨な殺人事件に人一倍の興味を抱いている青年。クラスメイトと一切の交流がない少女「森野夜」と唯一コミュニケートを行える存在。最近の彼らの話題はもっぱら隣の県で起きた女子高生の殺人事件に集中していた。ネタバレ!
ある日「夜」が拾ってきた手帳。それにはその事件の犯人らしき人物の手記が残されていて、、、。
事件に巻き込まれることで「僕」と「夜」の抱えた闇が徐々に明らかになっていく短編集。
なぜ自分は、このような穢れた魂を持って生れついてしまったのだろう。なぜ、ほかの人と同じではないのだろう。心の中に、そのことへの疑問と悲しみがあふれ出す。このとある変質的殺人者の独白は、命を奪った被害者への視点が欠けているので、ただの身勝手な自己憐憫で同情の余地無しなのですが…、それでもちょっと、涙線にきました。共感できてしまう自分がいました。
人を殺して喜びを得るようなことをせず、自分も普通の人のように生きたかった。人間を生き埋めにするという妄想に取りつかれず、夜に一人で穴を掘って心を落ち着けることもせず、ただそっとだれにも迷惑をかけないよう生きたかった。
消して多くを望まない。どんなにささやかでもいい。だが自分は、上司が子供の写真を眺めるように、同僚が真新しいシャツで職場へ現れるように、普通の人が送るような、当たり前の人生をいつも夢見ていた。自分にそれが与えられていたなら、どんなによかっただろう。
さみしさの周波数 乙一 角川書店 2002-12 |
失はれる物語 乙一 角川書店 2003-12 |
銃とチョコレート 乙一 講談社 2006-05-31 |
ZOO 乙一 集英社 2003-06 by G-Tools |