2013.08.16 Friday
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レッド・マスカラの秋 (ミステリーYA!) 永井 するみ 理論社 2008-12 |
街路樹が色づき、空気がこうばしくなる。なにか素敵なことが起きそうな予感に満ちた、秋。ティーン向けのファッションショー、東京ガールズフェスティバルは、トレンドに敏感な女の子たちで大盛況。私は、三浦凪、17歳。ファッションに興味がないわけじゃないけど、今日ここに来たのは、モデルの友人、ミリの晴れ姿を見るため。ランウエイを颯爽と歩くミリはレッド・マスカラを塗ったアイメイクも印象的で、文句なくカッコよかった。でもその舞台裏は、彼女が勧めたマスカラのせいで、まぶたが腫れたモデルがいるという噂で持ちきり。あんなに仕事に情熱とプライドを持っていたミリが、モデルを辞めようとまで思いつめている。マスカラに問題があるのか、モデル仲間の嫉妬なのか?ミリには胸を張ってランウエイに立ってほしい。私は調査に乗り出す決心をした。『カカオ80%の夏』につづく、大好評のハードボイルド・ミステリー、シリーズ第2作。やっぱり出ましたね、続き。そして、さらに続きが出そうで嬉しいです。
グラニテ 永井 するみ 集英社 2008-07 |
愛しているから許さない。母と娘の物語。帯や紹介文を見て想像したほど、ドロドロとしていなくて良かったです。これは確かに、母と娘が1人の男性を巡って争う物語で、女の争いと、その心理描写に多くのページが割かれているけれど、そちらがメインではなく、本当は、親離れ子離れの物語でした。ほとんどの人が経験するその瞬間が、彼女たちにとっては、こんな風にドラマチックに訪れた、という物語でした。だから、読み終えてみると、意外と爽やか。自立した女性同士になった2人が、温かい関係を1から築いていってくれる事を願ってやみません。今すぐには無理でも、唯香がもう少し大人になったら、健全な意味で仲の良い母娘になれるのではないでしょうか。
万里はカフェのオーナー。夫に先立たれ、17歳の娘唯香と暮らしている。年下の恋人・凌駕との関係も順調だったが、唯香と凌駕が出会ったことで、歯車が狂い始める…母親と娘との三角関係を描く長編。
グラデーション 永井 するみ 光文社 2007-10-20 |
14歳の少女が、友人、家族、憧れの人との関係のなかで、一つずつ自分の感情を増やしていく。進学や恋愛、就職の悩み…誰にでも訪れる当たり前のような出来事を、自分らしく受け止め、大人の入り口に立つ23歳になるまでを丁寧に辿る。永井するみさんが、ミステリーでも不倫小説でもない小説を書いていることにも、それが、こんなにも爽やかであることに驚きました。とても、いい小説でした。
いつかの自分を投影するような、心地よい等身大の成長小説。<帯より>
ドロップス 永井 するみ 講談社 2007-07-26 |
やりがいのある仕事と家庭を持ち、「年に一度、の二人」と同じ日に読んだので、類似点ばかりが目についてしまい残念でした。でも、個人的にはほんの少し、こちらのほうが好きかな。
他人から見れば幸せに見える結婚生活を送るフリー編集者。
高校の同級生に言い寄られる、バツイチ子持ち美女。
奔放な恋愛をしてるように見えて、
実は10歳も年下のピアニストが気になるシングルマザーのソプラノ歌手。
かつての略奪愛を経て、夫と静かに暮らすホール経営者。
4人の女、それぞれの仕事と恋。
年に一度、の二人 永井 するみ 講談社 2007-03-07 |
香港で出会った二組のカップル。1話と2話で、別々のカップルが描かれ、3話で2つの物語がリンクする構成になっています。
ハッピーバレー競馬場で楽しい時間を過ごし、
「一年後のこの日、ここでまた会おう」と約束するが、
お互いの連絡先は教えあわぬまま・・・。
どちらかが来なければその時はその時でおしまい。それだけの関係。
果たして二人はもう一度、再会することができるのか・・・。
義弟 永井 するみ 双葉社 2008-05-20 |
押さえきれない破壊衝動を封じ込めてきた弟、心と身体に深い傷を抱えながら生きてきた姉。血の繋がりのないふたりは、本当の肉親以上に信頼しあっていた。しかし、ある事件をきっかけに"姉弟の箍”が外れていく。彩の視点でだけ読めば、この本はとてもスッキリしていると思います。彩の精神構造や思考回路はわかりやすいし、小説の構成としても終盤に山があって秘密が明らかになるパターンでスッキリ。あのラストも、前向きにとらえることができますよね。彩は傷つけられた子供だったし、自分でもたくさんの間違いを犯したけれど、その間違いを後悔し、告白し、それを償おうとしている。回り道をしたけれど、本当に好きな人に気がつく事もできました。これから色々大変だろうけど、自分の心の傷を癒して、克己と支え合って、強く逞しく生き抜いていけそう。そして、いつかきっと、幸せになれるだろう、そんな風に思えます。
スポーツインストラクターの克己と弁護士の彩は、血の繋がりのない義理の姉弟。成人した今、克己の
彩に対する感情は、姉以上のものになっていた。そんな中、彩の不倫相手が彼女の職場で急死する。助けを求められた克己は、彼女を守るため遺体の処理をするのだが・・・。(帯より。)
カカオ80%の夏 (ミステリーYA!) 永井 するみ 理論社 2007-04 |
私は、三浦凪、17歳。好きなものは、カカオ80%のチョコレートとミステリー。苦手なことは、群れることと甘えること。夏休みに、クラスメートの雪絵が、書き置きを残して姿を消した。おとなしくて、ボランティアに打ち込むマジメな雪絵が、いったいどうして…?カレでもできたのか?気乗りはしないけれど、私は調査に乗り出した。ひと夏のきらきらした瞬間を封じ込めた、おしゃれなハードボイルド・ミステリー。ちゃんとしたYAでした!そして、ちゃんとしたサスペンス&ミステリーでした。(ただ、これがハードボイルドなのかどうかは、疑問)。永井さんって本当に有能!こんなのも書けてしまうんだなあ。どんどん引き出しが増えますね。
ダブル 永井 するみ 双葉社 2006-09 |
さくら草 永井 するみ 東京創元社 2006-05-27 |
ビネツ 永井 するみ 小学館 2005-05 by G-Tools |