主役は、文芸部で詩を書いているナオミという中2の女の子です。正義感が強くて、理不尽な教師に腹がたってたまらないんだけれど、目だつような行動はとりたくない、と、思っています。
もう一人の主役は、ナオミとは対照的なトラブルメーカー、けんかっぱやくて、先生にも堂々と意見を言える女の子、アサミです。
この2人が友情を育んでいくという、言ってしまえば、ありきたりな物語なのですが、この本がちょっと面白かったのは、生物としての「街」というものに関する記述です。「街」が第3の主役と言えるかもしれません。私の大学にはこういう研究をしている人たちがたくさんいましたが、そこに閉じ込められているのは、中学生くらいまでの子供達なんだよなあ、と、思いました。それ以上大人になってしまうと、出て行く事ができるので、余裕がある。
まあ、そんな感じでうまく言えないけど、中学生以下に特にオススメです。もちろん大人が読んでも面白かったですけど。