2013.08.16 Friday
スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
| - | | - | - | |
メフェナーボウンのつどう道 古処 誠二 文藝春秋 2008-01 |
親切が迷惑に、労りが障りに、慈しみが仇になる撤退行とは……。終戦間近のビルマ。英印軍の前進に伴いラングーンの兵站病院はモールメンへ撤退が決まります。負傷兵や衛生兵と共に、陸路で撤退することになった、日赤従軍看護婦の静子が主人公です。実質350キロの行程を、敵機の爆撃を受けながら歩き続ける毎日。負傷者の世話をする事を崇高な使命と叩きこまれて務めてきた静子でさえも、恐怖心から、負傷者に目を背けるようになり、負傷が実は死者である事を確認すると安堵するようになります。
分岐点 古処 誠二 双葉社 2003-05 |
つくしのきわみ、みちのおく、
うみやま とおく、へだつとも、
そのまごころは、へだてなく、
ひとつにつくせ、くにのため。
接近 古処 誠二 新潮社 2003-11-15 |
あなたはどこからやってきたのですか?この小説は、こんな質問で始まり、同じ質問で終ります。この言葉に込められた深い意味とは?
ご両親はどこに住んでいるのですか?
命を賭けた献身の代償が裏切りだとしても再読してみて「ルール」や「遮断」より、1つ上の評価をつけました。理由は、単に、私が泣けたから。小説としての技術がどうとか、レベルがどうとか、構成がどうとか、そういうことではありません。この本の感想として、戦争小説の恐ろしさを感じるよりも、弥一の気持ちを思うと切なくて、悲しくて、可哀相で・・・そういう気持ちが勝ってしまった。この小説は、泣けました。ラストシーンが、本当に泣かせるんですよねー。
それでも信じていたかった。
帯より。
ルール 古処 誠二 集英社 2002-04 |
遮断 古処 誠二 新潮社 2005-12-20 |
戦に現出する最大の恐怖は道徳の失効だった末期ガンで死期の近い孤独な老人が、自分の人生を変えた沖縄戦を回想をするという形式で、物語は進みます。その合間に、彼の元に届いた一通の手紙が一文ずつ挿入されます。